DC通達・通知

公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律等の施行について

平成26年3月24日年発0324第1号

平成26年3月24日年発0324第1号

(地方厚生(支)局長あて 厚生労働省年金局長)

公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十五年法律第六十三号。以下「平成二十五年改正法」という。)が平成二十五年六月二十六日に公布され、これに伴い、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成二十六年政令第七十二号)、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成二十六年政令第七十三号)、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(平成二十六年政令第七十四号)、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令(平成二十六年厚生労働省令第二十号)が本日公布され、それぞれ本年四月一日から施行されることとなったところである。

今般の法改正の趣旨及び政省令等の内容は次のとおりであるので、御了知いただくとともに、実施に当たっては、周知徹底を図り、施行に遺憾のなきよう取り扱われたい。

第一 改正の趣旨

  1.制度改正の趣旨等

   (1) 制度改正の背景と必要性

   近年、金融危機などにより金融市場の変動が非常に大きくなっており、また、長期にわたる金利水準の低下に伴って確実に得られる利回りが低下するなど、基金の資産運用を取り巻く環境は不安定さを増している状況にある。また、高齢化の進行や産業構造の変化に伴い、基金の加入者に対する年金受給者の割合、すなわち「基金の成熟度」が高まっており、年金債務の規模に比して支え手が少なくなる傾向が続いている。

   このため、いったん大きな積立不足が生じた場合に、掛金の引上げ等により積立水準を回復することが難しくなっている。

   これらの要因が複合的に進行した結果の一つの現れが、代行割れの構造化であるが、こうした状況は、代行割れ基金以外にも共通するものであり、上乗せ部分も含めて十分な積立てが行われている財政基盤の強固な一部の基金以外については、上乗せ資産(企業年金部分)に代行資産(厚生年金本体からの預かり金)を加えた大きな資産を保有することは、基金の財政運営上も、基金の事業主・加入員等のみならず代行資産を基金に託している厚生年金本体の事業主・加入員にとっての大きなリスクとなっている。

   こうした基金を取り巻く構造的な変化に対応し、公的年金と企業年金の役割分担、企業年金の事業主・加入員が負うべき役割とリスクを再整理することが必要となったため、今回の制度改正が行われるものである。

   (2) 制度改正の趣旨

   上記の状況に鑑みれば、上乗せ資産に代行資産を加えた大きな資産を保有することにより、基金の財政運営上、大きな追加負担のリスクを負っている状況となっている。

   これに対し、現在の基金の運営を企業年金部分に特化した場合、代行資産については厚生年金本体が管理することになるため、基金に追加負担のリスクは生じず、加入員・事業主等のリスクは企業年金部分のみに限定することが可能となる。

   今回の制度改正は、特例解散等の創設により、基金の解散・代行返上等を進めるとともに、他制度への移行支援等のための措置をあわせて講ずること等により、公的年金と企業年金の役割分担、企業年金の事業主・加入員の役割とリスクの範囲を再整理するものである。

  2.今回の制度改正の内容

   (1) 特例解散等について

   代行割れした基金については、厚生年金本体の被保険者・事業主にも一定のリスクを負って頂きつつ基金に迅速な取り組みを促すため、特例解散等の仕組みを創設している。今回の改正による特例解散の仕組みは、納付猶予期間の最大三十年への延長を可能としたほか、分割納付を行う際の事業所間の連帯債務を外すなど、代行割れが大きな基金であっても解散しやすくなるよう、従前よりも相当程度柔軟な内容となっている。これは法施行後五年間の時限措置であるため、基金が特例解散を行う場合は、法施行後五年以内に行うことが必要である。

   また、特例解散の措置による納付額については、リスクを負っている厚生年金本体の被保険者・事業主に理解を得ることのできる額を納付することが必要である。

   なお、特例解散制度には自主解散と清算型の二通りがあるが、厚生年金基金が解散に向かう際の基本はあくまで自主解散を想定している。清算型基金に指定されることは、上乗せ給付が支給停止されるため直ちに全受給者に対して丁寧な説明が必要となる、上乗せ給付を再建することを検討する時間が十分に取れなくなる恐れも強いなど、様々な制約を伴い、基金の責任が厳しく問われるものであることに留意が必要である。

   (2) 存続基準等について

   今回の制度改正で導入された特例解散、上乗せ給付の移行支援等の措置により、解散又は代行返上が促進されることとなる。

   一方、上乗せ部分を含めて十分な積立水準がある基金については、厚生年金基金として存続する選択肢もある。この選択肢をとる場合、代行部分の一・五倍又は最低積立基準額を確保するという法定の存続基準を満たすことが必要になる。

   厚生年金基金として存続する場合は、代行割れに係るリスクを厚生年金本体の被保険者・事業主に再び負わせることのないよう、二度と代行割れを起こさないとの観点から、モニタリングの強化が行われるほか、法施行後五年後以降は、存続基準を満たさなくなった場合、解散命令の対象となる。

  3.上乗せ給付の再建について

   (1) 上乗せ給付再建の意義

   上乗せ給付を再建することは、加入員・受給者の受給権保護に加え、事業主にとっても、税務・会計上や人材確保上のメリットがあると考えられる。

   今般の制度改正においては、上乗せ給付の再建を円滑に行えるように法令通達上の様々な手当てが実施されることとなっている。基金において今後の方向性を議論されるに際しては、受給権保護の観点の重要性に鑑み、上乗せ給付再建を主要議題として議論することが重要である。

   (2) 関係当事者間の議論の重要性

   基金の今後のあり方が適切に検討されるためには、運営状況・財政状況・ガバナンスの状況等を含めた基金の現状について、基金の関係当事者に十分かつ適切な情報開示がされた上で、上乗せ給付を再建する場合の給付・負担の水準、関係者の責任、運営に要するコストなどが具体的な選択肢として提示され、労使をはじめとする関係当事者間で議論が行われることが必要である。

   (3) 上乗せ給付再建の具体的な形態

   上乗せ給付の詳細な設計に際してはキャッシュ・フロー面にも配慮が必要となるが、発足時の積立不足の償却期間の延長等を活用すれば、現行と同じ負担額の場合、現行より予定利回りを下げて確定給付企業年金により上乗せ給付を再建することも選択肢となるものと期待される。

   全体的に、今般の制度改正に伴う上乗せ給付再建については、確定給付企業年金において確定年金やキャッシュバランスプランといった、資産運用等に係るリスクをより抑える柔軟な給付設計が認められるほか、中小企業退職金共済制度への資金の移換や、積立不足が発生している状態での確定拠出年金への資金移換が可能となっている。

   また、基金が解散した場合の残余財産については、一時金として分配するほか、平成二十五年改正法を踏まえ、企業年金連合会への移換をはじめとして、確定給付企業年金、確定拠出年金、中小企業退職金共済への移換を行うことも可能となっている。基金において解散を議論する際には、基金は事業主、加入員、受給者等の関係者に選択肢を提示し、十分に検討した上で、今後の方向性を得ることが求められる。

   上記の制度改正の趣旨、内容を踏まえ、上乗せ給付の再建の検討を含めた基金の今後のあり方について関係者間でよく議論することが重要である。

第二 政令、省令、告示の内容等

  一 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令の内容

  平成二十五年改正法の施行期日は、平成二十六年四月一日とすること。

  二 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令の内容

   (1) 厚生年金基金令の廃止

   厚生年金基金令(昭和四十一年政令第三百二十四号)を廃止すること。

   (2) 確定給付企業年金法施行令の一部改正

   平成二十五年改正法第二条における確定給付企業年金法(平成十三年法律第五十号)の改正に伴い、確定給付企業年金法施行令(平成十三年政令第四百二十四号)について所要の規定の整備を行うこと。

  三 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令の内容

   (1) 確定拠出年金を実施する場合における残余財産の移換の要件

   上乗せ部分を有している存続厚生年金基金が解散して、残余財産を確定拠出年金に移換する場合、積立不足があっても移行できることとすること。

   (2) 確定拠出年金、確定給付企業年金への脱退一時金相当額の移換の申出

   中途脱退者に係る脱退一時金相当額の移換の申出は、当該中途脱退者が存続厚生年金基金の加入員の資格を喪失した日から起算して一年を経過する日までに限って行うことができることとすること。

   (3) 責任準備金相当額の算出方法

   平成二十五年改正法附則第八条に規定する責任準備金の額は、第一号に掲げる額と第二号に掲げる額を合算した額から第三号に掲げる額を控除した額とすること。

    一 存続厚生年金基金が平成十一年九月三十日において解散したものとみなして当該存続厚生年金基金が老齢年金給付の支給に関する義務を負っている者について政府が積み立てるべき責任準備金が当該存続厚生年金基金が解散したことにより増加する額に相当する額

    二 平成十一年十月一日から存続厚生年金基金が解散した日までの期間に係る代行給付に要する費用に係る収入に相当する額

    三 前号に規定する期間に係る代行給付に要する費用に係る支出に相当する額

   (4) 前納する額の基準

   平成二十五年改正法附則第十条第二項の政令で定める基準は、前納しようとする日における年金給付等積立金の額から当該前納しようとする額を控除した額が、前納しようとする日から解散又は消滅しようとする日までの間における代行給付に充てるべき積立金の額を上回るものであることとすること。

   (5) 前納責任準備金相当額の還付

   政府は、平成二十五年改正法附則第十条第一項の規定により責任準備金相当額の全部又は一部が前納された場合であって、当該前納された額が、政府が徴収することとなった責任準備金相当額を上回った場合には、その差額を存続厚生年金基金に還付するものとすること。

   (6) 自主解散型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例等の要件

   平成二十五年改正法附則第十一条第五項及び第十二条第七項第一号の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとすること。

    一 申請日の属する月前二年間において廃止前厚生年金基金令第三十三条の規定により算定された額の掛金を徴収していたと認められること又は申請日の属する月前二年間の当該自主解散型基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定めるところにより計算した率が平成二十一年度における全ての厚生年金基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定める率を上回っていること。

    二 年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制するために必要な措置を講じていること。

   (7) 自主解散型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例の額

    ①平成二十五年改正法附則第十一条第七項の政令で定めるところにより算定した額は、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額を控除した額として厚生労働大臣の定めるところにより計算した金額とすること。

     一 自主解散型基金が設立された日から当該自主解散型基金が解散した日までの期間に係る代行給付に要する費用に係る収入に相当する額

     二 前号の期間に係る代行給付に要する費用に係る支出に相当する額

    ② ①の第一号に掲げる収入に相当する額及び①の第二号に掲げる支出に相当する額の計算の基礎となる利子の利率は、年金特別会計の厚生年金勘定に係る積立金の運用の実績等を勘案して厚生労働大臣が定める率とすること。

   (8) 自主解散型納付計画の承認に係る認定の要件

   平成二十五年改正法附則第十二条第八項の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとすること。

    一 次のイからハまでのうち二以上に該当するものであること。

     イ 申請日の属する月前二年間において廃止前厚生年金基金令第三十三条の規定により算定された額の掛金を徴収していたと認められること又は申請日の属する月前二年間の当該自主解散型基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定めるところにより計算した率が平成二十三年度における全ての厚生年金基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定める率を上回っていること。

     ロ 年金たる給付の減額その他年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制する措置を相当程度講じていること。

     ハ 当該自主解散型基金の運営に要する費用を抑制するために必要な措置その他当該自主解散型基金に係る年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を満たすために必要な措置を講じていること。

    二 当該自主解散型基金の年金給付等積立金の額が、改正前厚生年金保険法第百四十五条第二項の認可をすることが見込まれる日までに、当該自主解散型基金の設立事業所に係る掛金の増加によって責任準備金相当額を上回ることが困難であると見込まれること。

   (9) 納付計画の提出の特例

   特例解散しようとする基金及びその設立事業所の事業主が納付計画の提出をしようとする場合であって、当該事業主のうち基金自らが納付すべき責任準備金相当額を当該基金が納付すべき責任準備金相当額と併せて国に納付することが適切であると認められる場合は、当該基金は、責任準備金相当額のうち自らが納付すべき額に当該事業主が納付すべき責任準備金相当額を加算して納付計画を作成し、厚生労働大臣に提出することができることとすること。

   (10) 納付計画の承認を取り消された事業主からの徴収の特例

   納付計画が取り消された場合における納付すべき額の残余額の徴収方法を定めること。

   (11) 清算型基金の指定の要件

    ① 平成二十五年改正法附則第十九条第一項の政令で定める率は、〇・八とすること。

    ② 平成二十五年改正法附則第十九条第一項の事業の継続が著しく困難なものとして政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当するものとすること。

     一 平成二十五年改正法附則第十九条第一項の規定による指定日の属する事業年度の前事業年度における年金たる給付及び一時金たる給付に要した費用の額が当該指定日の属する事業年度の前事業年度における掛金及び徴収金による収入の額を上回っていること等が認められること。

     二 当該存続厚生年金基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っている者(当該存続厚生年金基金の加入員を除く。)の数が当該存続厚生年金基金の加入員の数を上回っていること。

    ③ 平成二十五年改正法附則第十九条第一項の業務の運営について相当の努力をしたものとして政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとすること。

     一 指定日の属する月前二年間において廃止前厚生年金基金令第三十三条の規定により算定された額の掛金を徴収していたこと等が認められること。

     二 年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制するために必要な措置を講じていること。

   (12) 清算型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例等の要件

    ① 平成二十五年改正法附則第二十条第二項及び第二十一条第六項第一号に規定する政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとすること。

     一 申請日の属する月前二年間において廃止前厚生年金基金令第三十三条の規定により算定された額の掛金を徴収していたこと等が認められること又は申請日の属する月前二年間の当該清算型基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定めるところにより計算した率が平成二十一年度における全ての厚生年金基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定める率を上回っていること。

     二 年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制するために必要な措置を講じていること。

   (13) 清算型納付計画の承認に係る認定の要件

   平成二十五年改正法附則第二十一条第七項の政令で定める要件は、次の各号のいずれにも該当するものであることとすること。

     一 次のイからハまでのうち二以上に該当するものであること。

      イ 申請日の属する月前二年間において廃止前厚生年金基金令第三十三条の規定により算定された額の掛金を徴収していたと認められること又は申請日の属する月前二年間の当該清算型基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定めるところにより計算した率が平成二十三年度における全ての厚生年金基金の加入員の標準報酬月額の総額及び標準賞与額の総額に対する掛金の総額の比率として厚生労働省令で定める率を上回っていること。

      ロ 年金たる給付の減額その他年金たる給付又は一時金たる給付に要する費用を抑制する措置を相当程度講じていること。

      ハ 当該清算型基金の業務の運営に要する費用を抑制するために必要な措置その他当該清算型基金に係る年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を満たすために必要な措置を講じていること。

     二 当該清算型基金の年金給付等積立金の額が、平成二十五年改正法附則第十九条第七項の承認を受けることが見込まれる日までに、当該清算型基金の設立事業所に係る掛金の増加によって責任準備金相当額を上回ることが困難であると見込まれること。

   (14) 責任準備金相当額の特例を受けた自主解散型基金等の特例

    ① 平成二十五年改正法附則第十一条第五項若しくは第二十条第二項の認定又は平成二十五年改正法附則第十二条第七項若しくは第二十一条第六項の承認を受けた存続厚生年金基金の設立事業所が確定給付企業年金の実施事業所となっているとき、又は実施事業所となるときは、当該確定給付企業年金の事業主等は、当該確定給付企業年金の規約にあらかじめ定めがある場合には、当該存続厚生年金基金の加入員であった者に対し、当該存続厚生年金基金の加入員期間を老齢給付金等の額の算定の基礎となる当該確定給付企業年金の加入者期間とみなして老齢給付金等の支給をすることができること。

    ② ①の規約を定める場合には、当該存続厚生年金基金の加入員であった者の同意を得なければならないこと。

   (15) 自主解散型基金等が解散する場合における責任準備金相当額の特例等の要件の特例

   施行日から起算して一年を超えない期間内において、東日本大震災に際し災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)が適用された市町村の区域(岩手県、宮城県及び福島県の区域に限る。)内に主たる事務所が所在する存続厚生年金基金から特例解散の承認の申請があった場合の特例を定めること。

   (16) 解散存続厚生年金基金の残余財産の独立行政法人勤労者退職金共済機構への交付

    ① 平成二十五年改正法附則第三十六条第二項の政令で定める額は、中小企業退職金共済制度における基本退職金に相当する額に対し、退職金共済契約を締結した月から同項に規定する交付額の交付のあった月までの期間につき年一パーセントの複利による計算をして得た元利合計額と、付加退職金に相当する額を合算して得た額のうち、同項に規定する交付額の範囲内で、掛金納付月数に通算される月数が最大となるものとすること。

    ② 平成二十五年改正法附則第三十六条第三項第一号及び第八項の政令で定める利率は、中小企業退職金共済法施行令(昭和三十九年政令第百八十八号)第八条に規定する利率とすること。

  四 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令の内容

1.関係省令の整備等

   (1) 厚生年金基金規則(昭和四十一年厚生省令第三十四号)は、廃止すること。

   (2) 確定給付企業年金法施行規則(平成十四年厚生労働省令第二十二号。)の一部を次のように改正すること。

    ① 承認・認可事項の緩和

     一 確定給付企業年金法第六条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更に、確定給付企業年金法第四条第五号に掲げる事項(ただし、労働協約等の変更により確定給付企業年金法第二十七条に規定する加入者資格の喪失の時期が変更になる場合その他の軽微な変更に限り、給付の減額に係る部分を除く。)を追加する。

     二 掛金の拠出に関する事項のうち上記の給付設計の軽微な変更に伴い掛金の変更を行う場合は確定給付企業年金法第六条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更に含める。

     三 権利義務を移転する場合は権利義務の移転に関する事項、権利義務を承継する場合は権利義務の承継に関する事項及び脱退一時金相当額の移換に関する事項については、確定給付企業年金法第六条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更に含める。

    ② キャッシュバランスプラン給付設計の弾力化

     一 給付の額の算定に用いる予定利率については、給付の額の算定方法として確定給付企業年金法施行令第二十四条第一項第三号の方法を用い同条第三項の給付の額の改定を行う場合その他それに類する場合は、零を下回らないものとすることができる。

     二 給付の額の算定に用いる予定死亡率については、規約に定めるところにより、確定給付企業年金の加入者等及びその遺族の死亡の実績及び予測に基づき合理的に定めたものとすることができる。

     三 給付の額の再評価等に用いる率に、確定給付企業年金の積立金の運用実績を加え、指標は単年度では零を下回ることを許容し、通算で零以上とする。

    ③ 受託保証型確定給付企業年金の緩和

     一 加入者の有無にかかわらず、契約者価額が数理債務の額を下回らないことが確実と見込まれるものを受託保証型確定給付企業年金(以下「受託保証型DB」という。)とする。

     二 受託保証型DBを簡易な基準に基づく確定給付企業年金とし、加入者が存在する受託保証型DBについては、給付の額の改定を行うことができるようにする。

     三 受託保証型DBの最低積立基準額は数理債務の額に基づき合理的に計算した額を使用可能とする。

    ④ 段階引き上げ償却時の特例掛金の再規定

    過去勤務債務の償却方法のうち段階引き上げ償却を採用している場合、非継続基準の抵触に伴い、翌々事業年度の掛金額に加算して拠出すべき特例掛金の計算の際に、翌事業年度に実際に拠出した特別掛金の代わりに翌々事業年度に拠出することとなる特別掛金又は元利均等償却を行った場合の特別掛金額の使用を可能とする。

    ⑤ 回復計画に係る経過措置の延長

    非継続基準に抵触した場合の掛金の拠出方法のうち回復計画は平成三十年三月三十日までの経過措置とされているが、これを当分の間の措置とする。

   (3) 確定拠出年金法施行規則の一部改正

    ① 規約の変更に係る手続き要件の緩和

     一 確定拠出年金法第五条第一項の厚生労働省令で定める軽微な変更に、企業型年金を実施する事業主が負担する事務費に係る事項、事業主掛金の額の算定方法に関する事項であって条項の移動など実質的な変更を伴わない事項等を加えること。

     二 確定拠出年金法第六条第二項ただし書の厚生労働省令で定める特に軽微な変更に、法令の改正に伴う変更に係る事項(事業主掛金の額の算定方法に関する事項、企業型年金加入者掛金の額の決定又は変更の方法その他その拠出に関する事項に係るもののうち実質的な変更を伴うものを除く。)を加える。

2.経過措置

   (1) 責任準備金相当額の減額の申請

   平成二十五年改正法附則第十一条第一項の規定による自主解散型減額申請及び平成二十五年改正法附則第二十条第一項の規定による清算型減額申請は、代議員会において代議員の定数の三分の二以上の多数により議決し、申請書に、減額申請日前一月以内現在における財産目録及び貸借対照表等の書類を添付して厚生労働大臣に提出することによって行うものとすること。

   (2) 自主解散型納付計画等の承認の申請

    ① 自主解散型納付計画又は清算型納付計画(以下「自主解散型納付計画等」という。)の承認の申請をする場合は、代議員会において代議員の定数の三分の二以上の多数により議決し、申請書に、当該存続厚生年金基金に係る納付計画に申請前一月以内現在における財産目録及び貸借対照表等の書類を添付して、厚生労働大臣に提出することによって行うものとすること。

    ② 存続厚生年金基金は、自主解散型納付計画等の承認の申請をする場合は、当該自主解散型納付計画等の承認の申請に伴う改正前厚生年金保険法第百十五条第二項の規定による規約の変更がある場合には、その変更の認可の申請を、当該自主解散型納付計画等の承認の申請を行う日までに行わなければならないこと。

   (3) 自主解散型納付計画等の記載事項

    ① 平成二十五年改正法附則第十二条第三項第四号及び平成二十五年改正法附則第二十一条第三項第三号の厚生労働省令で定める事項は、納付の猶予を受けようとする金額に係る設立事業所の事業主ごとの負担等とすること。

    ② 平成二十五年改正法附則第十二条第四項第三号又は平成二十五年改正法附則第二十一条第四項第三号の厚生労働省令で定める事項は、次の一及び二に掲げる事項とすること。

     一 納付の猶予を受けようとする期間が五年を超える場合は、その理由。

     二 当該設立事業所の事業主が設立している存続厚生年金基金が解散した後に企業年金制度を実施する又は中小企業退職金共済法(昭和三十四年法律第百六十号)退職金共済契約を締結する意思の有無及び企業年金制度を実施する場合又は退職金共済契約を締結する場合にあってはその概要。

    ③ 平成二十五年改正法附則第十二条第四項第二号及び平成二十五年改正法附則第二十一条第四項第二号の当該事業主が納付の猶予を受けようとする額は、年を単位として分割して当該自主解散型納付計画等に記載しなければならないこと。

   (4) 自主解散型納付計画等の承認の要件

   平成二十五年改正法附則第十二条第七項第二号及び平成二十五年改正法附則第二十一条第六項第二号の厚生労働省令で定める要件は次のいずれにも該当するものであることとすること。

    一 収支の状況その他当該設立事業所の経営の状況から見て自主解散型納付計画等に記載された当該設立事業所の事業主に係る納付の猶予を受けようとする額及びその期間の設定が合理的であると認められること。

    二 年を単位として分割して自主解散型納付計画等に記載された当該設立事業所の事業主に係る納付の猶予を受けようとする額の年ごとの額の設定が合理的であると認められること。

    三 当該設立事業所の事業主の負担する金額が事業主ごとの負担方法その他の事情から見て適正であると認められること。

   (5) 納付計画の変更

    ① 平成二十五年改正法附則第十四条第一項の規定により自主解散型納付計画、清算型納付計画及び責任準備金相当額又は減額責任準備金相当額の納付に関する計画(以下「清算未了特定基金型納付計画」という。)(以下これらの計画を「納付計画」という。)の変更の申請をする場合は、申請書に、変更後の納付計画及び平成二十五年改正法附則第十四条第一項のその猶予がされた期間内にその猶予がされた額を納付することができないやむを得ない理由及びその根拠を示す書類を添付して厚生労働大臣に提出することによって行うものとすること。

    ② 厚生労働大臣は、平成二十五年改正法附則第十四条第一項の承認の申請があった場合において、当該申請が次に掲げる全ての要件に適合すると認めるときは、その承認をするものとすること。

     一 収支の状況その他当該設立事業所の経営の状況から見て当該変更後の納付計画に基づき納付することが可能であると見込まれること。

     二 年を単位として分割して当該変更後の納付計画に記載された当該設立事業所の事業主に係る納付の猶予を受けようとする額の年ごとの額の設定が合理的であると認められること。

   (6) 清算計画の提出

   平成二十五年改正法附則第十九条第七項の規定による清算計画は、代議員会において代議員の定数の三分の二以上の多数により議決し、厚生労働大臣が指定する日までに厚生労働大臣に提出しなければならない。

   (7) 清算未了特定基金型納付計画の提出

    ① 清算未了特定基金型納付計画は、当該清算未了特定基金型納付計画に次に掲げる書類を添付して、厚生労働大臣に提出することによって行うものとする。

     一 当該清算未了特定基金が清算未了特定基金型納付計画の提出に同意したことを証する書類。

     二 損益計算書その他の当該清算未了特定基金の設立事業所の収支の状況を示す書類。

     三 平成二十五年改正法附則第三十条第五項の規定に基づき算定した額の算定の根拠を示す書類。

    ② ①の提出は、当該設立事業所の事業主が設立している清算未了特定基金を経由して行うことができること。

   (8) 清算未了特定基金型納付計画の記載事項

    ① 平成二十五年改正法附則第三十条第四項第三号の厚生労働省令で定める事項は、企業年金制度を実施する又は中小企業退職金共済法退職金共済契約を締結する意思の有無及び企業年金制度を実施する場合又は退職金共済契約を締結する場合にあってはその概要とすること。

    ② 平成二十五年改正法附則第三十条第四項第二号の当該事業主が納付の猶予を受けようとする額は、年を単位として分割して当該清算未了特定基金型納付計画に記載しなければならないこと。

   (9) 清算未了特定基金型納付計画の承認の要件

   平成二十五年改正法附則第三十条第七項第一号の厚生労働省令で定める要件は、次のいずれにも該当するものであることとすること。

    一 収支の状況その他当該設立事業所の経営の状況から見て当該清算未了特定基金型納付計画に基づき納付することが可能であると見込まれること。

    二 年を単位として分割して当該清算未了特定基金型納付計画に記載された当該設立事業所の事業主に係る納付の猶予を受けようとする額の年ごとの額の設定が合理的であると認められること。

   (10) 存続厚生年金基金から移行した確定給付企業年金等の掛金額の算定の特例

   存続厚生年金基金が代行返上して確定給付企業年金に移行する場合、存続厚生年金基金が解散し残余財産を事業所ごとに既存又は新設する確定給付企業年金に移換する場合、及び代行割れしている存続厚生年金基金が特例解散し、新たに確定給付企業年金を実施して退職給付を再建する場合には、移行等に係る事業所の移行部分の過去勤務債務については、予定償却期間を三年以上三十年以内に延長することとすること。

   (11) 存続厚生年金基金から移行した確定給付企業年金等の積立不足に伴い追加して拠出すべき掛金の額についての特例

    ① 存続厚生年金基金から確定給付企業年金に移行する場合等にあって、非継続基準に抵触している場合は、移行等に係る事業所については、積立比率による掛金設定をする際の係数を緩和すること。

    ② 存続厚生年金基金から確定給付企業年金に移行する場合等にあって、非継続基準に抵触しているため、回復計画により掛金を拠出する場合には決算基準日が平成三十四年三月三十日までの場合は十年、平成三十四年三月三十一日から平成三十五年三月三十日までは九年、平成三十五年三月三十一日から平成三十六年三月三十日までは八年、それ以降は七年で回復する計画とすること。

   (12) 解散存続厚生年金基金の残余財産の独立行政法人勤労者退職金共済機構への交付に係る規定の整備

    ① 解散存続厚生年金基金による交付の申出

     一 平成二十五年改正法附則第三十六条第一項の申出は、解散存続厚生年金基金の設立事業所の事業主のうち、その雇用する解散存続厚生年金基金加入員に係る被共済者持分額の範囲内の額を交付することを希望する事業主ごとに、必要な事項を記載した書面を独立行政法人勤労者退職金共済機構へ提出することにより行うものとすること。

    ② 掛金納付月数の通算等

     一 平成二十五年改正法附則第三十六条第二項の規定により掛金納付月数の通算が行われた場合の付加退職金の算出は、当該通算後の月数に基づき算出すること。

     二 退職金及び解約手当金の減額については、平成二十五年改正法附則第三十六条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の交付額の交付がなかったものとみなした額に基づき算出すること。

     三 基金が加入促進のための掛金負担軽減措置を受けていた事業主に係る交付の申出を行う場合、当該措置は取り消され、また、当該取消に係る掛金の納付期限を経過した後は、当該掛金に一〇・九五パーセントの割増金が課されること。

    ③ 加入促進のための掛金負担軽減措置に関する特例

     一 平成二十五年改正法附則第三十六条第一項の申出に係る被共済者について納付された掛金に係る中退共規則第四十五条の規定については、交付の申出をしないことが確認された中小企業者を除き、適用しないこととすること。

   (13) 解散計画、代行返上計画

    ① 存続厚生年金基金は、平成二十五年改正法の施行日から起算して五年を経過する日までの間において解散をしようとする場合は解散計画、代行返上しようとする場合は代行返上計画を厚生労働大臣に提出することができること。

    ② 解散計画、代行返上計画に基づいた運営が行われている期間は、存続厚生年金基金については、廃止前基金令第三十六条の二第三号の規定は、適用しないこと。

    ③ 解散計画、代行返上計画を提出した存続厚生年金基金は、当該解散計画に従って、その事業を行わなければならないこと。

    ④ 解散計画、代行返上計画を提出した存続厚生年金基金は、当該解散計画に記載した事項に変更が生じたときは、速やかに当該解散計画の内容を変更し、変更後の解散計画を厚生労働大臣に提出しなければならないこと。

   (14) 解散計画の記載事項

    ① 解散計画には、次に掲げる事項を記載しなければならないこと。

     一 解散計画の適用開始日及び解散予定日

     二 事業及び財産の現状

     三 年金給付等積立金の積立ての目標

     四 三の目標を達成するために必要な具体的措置及びこれに伴う収入支出の増減の見込額

    ② ①四に掲げる措置は、①三に掲げる目標に照らして合理的と認められるものでなければならないこと。

   (15) 日本年金機構への事務の委託

    ① 平成二十五年改正法附則第十三条第一項、第二十二条第一項及び第三十一条第一項の規定により政府が自主解散型基金、清算型基金又は清算未了特定基金の設立事業所から、自主解散型納付計画、清算型納付計画又は清算未了特定基金型納付計画に基づき徴収する徴収金又は平成二十五年改正法附則第十六条第一項の加算金の徴収に係る事務について、日本年金機構へ事務の委託がされたこと。

    ② 平成二十五年改正法附則第十四条(平成二十五年改正法第二十三条及び第三十二条において準用する場合を含む。)の規定による納付計画の変更に係る事務及び平成二十五年改正法第十五条(平成二十五年改正法第二十三条及び第三十二条において準用する場合を含む。)の規定による納付計画の承認の取り消しに係る事務について、日本年金機構へ事務の委託がされたこと。

  五 告示の内容

   (1) 代行給付費の簡便係数

    ① 代行給付費の簡便計算に用いる係数を受給者の年齢区分に応じた三段階の係数とすること。

    ② 代行給付費の算定において、在職老齢年金及び雇用保険との調整に係る支給停止については実績に基づき、それ以外の支給停止については、一定率(〇・九九八)を乗じることにより算定する方式を導入すること。

   (2) 元利計算に用いる厚生年金本体の実績利回りの適用時期

   元利計算に用いる厚生年金本体の実績利回りの適用時期については、それぞれの年度に対応した利回りを適用させることとし、実績が確定していない年度については、年金積立金管理運用独立行政法人が公表する運用結果を用いるものとすること。

   (3) 代行給付費と元利計算の特例

   法施行後五年以内は、代行給付費の簡便計算における平成二十五年改正法施行前の一律の係数を用いること及び厚生年金本体の実績利回りについて平成二十五年改正法施行前の方式による適用時期を用いて計算することを可能とすること。

  六 その他

  平成二十五年改正法の施行に伴い、基金の中途脱退者に係る基本年金の企業年金連合会への移転は停止されることとなったが、脱退一時金相当額については、企業年金連合会、確定給付企業年金及び確定拠出年金への移換はこれまでどおり可能であることから、基金は、引き続き中途脱退者に対する説明義務があるものであり、例えば企業年金連合会が作成しているパンフレットの活用等を通じてわかりやすく説明することが求められることに留意すること。

  なお、確定給付企業年金の説明義務についても同様であること。