DBガイドライン

確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて

平成14年3月29日年発第0329009号2026年8月20日現在の内容

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改正 平成 14 年3 月 29 日年発第 0329009 号

平成 19 年9月 28 日年発第 0928003 号

平成 29 年 11 月 8 日年発 1108 第 1 号

令和2年9月 30 日年発 0930 第 30 号

令和5年12月 27 日年発 1227 第 3 号

令和7年1月 9 日年発 0109 第 1 号

     確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関する

       ガイドラインについて(通知)

  地方厚生(支)局長 殿

厚生労働省年金局長

( 公 印 省 略 )

今般、「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」を別添のとおり策定したので、貴管下の規約型企業年金の事業主(以下「事業主」という。)及び企業年金基金(以下「基金」という。)への周知及び指導について配慮されたい。

 なお、ガイドライン策定の趣旨等は下記のとおりである。

1 ガイドライン策定の趣旨

 事業主及び基金(以下「事業主等」という。)が老後の所得確保という目的を達成するためには、加入者及び加入者であった者(以下「加入者等」という。)の受給権保護の観点から、資産の安全かつ効率的な運用を行っていくことが不可欠であり、事業主等が自己責任の下で、自主的に運用を行う環境を整備することが重要である。

 具体的には、確定給付企業年金に係る資産運用関係者(以下「資産運用関係者」という。)の責任意識の醸成と運用管理体制の整備を行うため、英米における「受託者責任」に関するルールのように、資産運用関係者の役割及び責任を明確化、具体化したルールの確立を図る必要がある。

 このため、「厚生年金基金の資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて(平成9年4月2日年発第 2548 号)」の内容等を踏まえ、資産運用関係者の役割及び責任について別添のとおりガイドラインを策定し、これを広く関係者に周知することとした。

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2 ガイドラインの性格

 ① 確定給付企業年金法等には、資産運用関係者の権限や権利義務に関する若干の規定があることから、ガイドラインは、我が国の現行法制を前提に、その下で用いられている概念を使用して記述した。具体的にはエリサ法等英米の法制度における考え方や精神をできる限り参考としつつ、現行法における「善管注意義務」や「忠実義務」の概念を、事業主等が管理運用業務(確定給付企業年金に係る積立金の管理及び運用に関する事業主等の業務をいう。以下同じ。)を行う場面を想定し、具体的な行動指針として記述した。

 ② ガイドラインは法令そのものではなく、どのような事項に留意すれば、事業主及び基金の理事(以下「理事等」という。)等の資産運用関係者に求められる職務を全うできると考えられるかを示したものである。資産運用関係者の責任に関して訴訟が起きた場合、我が国の現行法制度の下では、責任の有無は裁判所の判断に委ねられることとなる。例えば、善管注意義務が遵守されたかどうかの判断については、裁判所によって一切の事情が斟酌されるため、ガイドラインを守ってさえいれば責任を免れるということではない。しかしながら、ガイドラインは、裁判所が判断を下す際の参考とされるものと思われる。

 ③ ガイドラインは、各運用受託機関・商品の性格やそれぞれの根拠法令上の規定に応じ、それらを活用する場合ごとに細かく書き分けたものではなく、資産運用に当たっての一般的な考え方を記述したものである。このため、ガイドラインどおりに理事等が行動しようとすると、運用受託機関の各業法等の法令の規定に抵触する場合も考えられるが、その場合には、法令が優先される。

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(別添)

 確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン

1 本ガイドラインの目的・性格・対象

(1)本ガイドラインの目的

  ○ 確定給付企業年金の目的は、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することにあり、事業主等は、加入者等の受給権を保護するため、安全かつ効率的に資産の運用を行わなければならない。

  ○ 本ガイドラインは、資産運用関係者の役割や職務の分担及びそれに伴う責任の内容を明確化、具体化するものであるが、その目的は、これらの者の責任意識の醸成及び自主性の涵養を図ることにより、安全かつ効率的な資産運用を促進し、もって加入者等の受給権の保護を図ることにある。

(2)本ガイドラインの性格

  ○ 本ガイドラインは、現行の法的枠組みを前提とし、確定給付企業年金法等の下で、確定給付企業年金に係る資産運用を安全かつ効率的に行うためのルールをできる限り網羅的、体系的に整理したものである。

  ○ 本ガイドラインは現行法制の下で、遵守しなければ義務違反を生じる可能性があると考えられるルールについては、「しなければならない」行為として記述し、遵守しなかった場合に直ちに義務違反を生じるとまでは言えないが、現行法の精神から判断して遵守することが望ましいと考えられるルールについては、「望ましい」行為として記述した。

(3)本ガイドラインの対象

  ○ 本ガイドラインの対象者は、主として管理運用業務の執行に係る意思決定とその執行を職務とする理事等であるが、管理運用業務に関与するその他の関係者(代議員、監事等)及び資産運用委員会についても、その対象とすることとする。

   なお、本ガイドラインでは、管理運用業務とは、運用の基本方針や資産構成の決定、運用受託機関(事業主が締結した資産管理運用契約の相手方(以下「資産管理運用機関」という。)及び基金が締結した基金資産運用契約の相手方(以下「基金資産運用機関」という。)をいう。以下同じ。)又は運用コンサルタント(以下「運用受託機関等」という。)の選任、管理等をいい、運用受託機関等が行う業務を含まない。

  ○ 本ガイドラインは、基金を設立して実施する確定給付企業年金の事業主(以下「基

   金型事業主」という。)等の資産運用関係者以外の者を直接対象とするものではないが、これらの者は、本ガイドラインを尊重して行動することが求められる。

2 基金の資産運用関係者の役割分担

  (基金と理事の関係)

  ○ 理事は、基金から委任を受け、理事会において管理運用業務の執行に係る意思決定を行う(確定給付企業年金法(以下「法」という。)第 22 条参照)。

  ○ 理事長は、基金を代表して、管理運用業務を執行する。理事(常務理事、運用執行理事等)は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐し、管理運用業務を執行することができる(法第 22 条参照)。

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 (外部の機関との関係)

  ○ 基金は、自家運用の場合を除き、信託銀行、生命保険会社、農業協同組合連合会又は金融商品取引業者(投資助言・代理業又は投資運用業を行う者に限る。)と積立金の管理及び運用に関する契約を締結することとされており、また、運用コンサルタント等と管理運用業務に係る助言に関する契約を締結することができる。ただし、管理運用業務に関する意思決定については、基金自らの判断の下に行う。

  ○ 基金が外部の機関に委託した業務及び外部の機関に求めた助言の内容については、関係法令及び契約の定めるところにより、その外部の機関が基金に対する責任を負う。基金の理事等は、外部の機関の選任及び管理について、基金に対する責任を負う。

3 事業主及び基金の理事

(1)一般的な義務

  ① 法令上の義務

   (善管注意義務)

   ○ 事業主は、加入者等に対し、善良なる管理者の注意をもって職務を遂行する義務を負う(民法第 644 条の類推適用)。

   ○ 理事は、基金に対し、善良なる管理者の注意をもって職務を遂行する義務を負う(民法第 644 条の類推適用)。

   (忠実義務)

   ○ 事業主は、管理運用業務について、法令、法令に基づいて行う厚生労働大臣の処分及び規約を遵守し、加入者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない(法第 69 条参照)。

   ○ 理事は、管理運用業務について、法令、法令に基づいて行う厚生労働大臣の処分、規約及び代議員会の議決を遵守し、基金のため忠実にその職務を遂行しなければならない(法第 70 条参照)。

   (注)金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律において規定される誠実公正義務(第2条)は、企業年金については、上記の善管注意義務・忠実義務に基づく対応を行うことにより履行される義務である。

  ② 一般的基準

   ○ 事業主は、管理運用業務について、社会通念上要求される程度の注意を払い、加入者等のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

   ○ 理事は、管理運用業務について、常勤・非常勤の勤務形態やその職責の内容に応じ、理事として社会通念上要求される程度の注意を払い、基金のため忠実にその職務を遂行しなければならない。

    特に、管理運用業務を執行する理事(理事長、管理運用業務を行う常務理事及び運用執行理事等。以下「理事長等」という。)は、管理運用業務に精通している者が、通常用いるであろう程度の注意を払って業務を執行しなければならない。

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   ○ 事業主等は、その職務の遂行に当たり、もっぱら加入者等の利益を考慮すべきであり、これを犠牲にして自己又は加入者等以外の者の利益を図ってはならない。

(2)基本的な留意事項

   (分散投資義務)

   ○ 確定給付企業年金に係る資産(以下「資産」という。)の運用に当たっては、投資対象の種類等について分散投資に努めなければならない(確定給付企業年金法施行令(以下「令」という。)第 46 条参照)。ただし、分散投資を行わないことにつき合理的理由がある場合は、この限りでないが、その際は当該合理的理由を運用の基本方針に定めるとともに、事業主にあっては加入者に、理事長等にあっては加入者及び事業主に周知しなければならない。

   (資産構成の重視)

   ○ 資産の運用に当たっては、資産全体のリスク(収益率の変動性)とリターン(収益率)を考慮して、個々の資産の種類(株式、債券等)や商品(以下「資産等」という。)の選択(基金における自家運用の場合にあっては、個々の銘柄等の選択)を行わなければならない。リスクの高い資産等であっても、資産全体のリスクとリターンとの関係において合理的と考えられれば、法令に違反しない限り、事業主等自らの判断によりこれらの資産等に運用することができる(法第 65 条、法第 66 条等参照)。

   (資産の特性等への配慮)

   ○ 資産等の選択に当たっては、次の点に配慮しなければならない。

    ア 当該資産等への運用と確定給付企業年金の目的との整合性

    イ 当該資産等への運用が資産全体のリスクとリターンに与える影響

    ウ 当該資産等の流動性

    エ 当該資産等への運用及び当該資産等の管理に必要な費用

    オ 当該資産等への運用に関する運用受託機関の専門的能力の水準

  (資産状況の把握)

  ○ 事業主及び理事長等(以下「年金運用責任者」という。)は、少なくとも毎事業年度ごとに、資産全体の構成割合を時価で把握しなければならない(規則第 84 条参照)。

(3)株式による掛金の納付に当たっての留意事項

  ① 基金型事業主が株式による掛金の納付を行う場合の基金の同意

   ○ 理事長等は、基金型事業主から提示された当該納付に係る全体計画について、当該納付が加入者等の利益に資することを十分確認し、基金内部での意思決定手続に従って必要な同意を与えなければならない(法第 56 条等参照)。

   ○ 理事長等は、同意に当たっては、全体の資産構成や株式ポートフォリオ(株式資産の内容)のリスクとリターンへの影響を考慮しなければならない。

    (注)事業主又は基金型事業主が株式で掛金を納付することができるのは、当該確定給付企業年金の規約に資産管理運用機関又は基金が株式による掛金の納付を受けることができる旨の定めがある場合に限る(令第 36 条参照)。

  ② 運用の基本方針における規定

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   ○ 株式で掛金を納付する事業主及び株式による掛金の納付を受ける基金の理事長等は、納付された株式の利用方法及び制約事項を運用の基本方針において規定しなければならない。

  ③ 政策的資産構成割合の策定及び維持等

   (政策的資産構成割合の策定及び維持)

   ○ 株式で掛金を納付する事業主及び株式による掛金の納付を受ける基金の理事長等は、適切な資産の管理運用を行うために当該確定給付企業年金にとって最適と認められる資産構成割合(以下「政策的資産構成割合」という。)を策定しなければならない。また、株式で掛金を納付する事業主又は株式による掛金の納付を受ける基金においては、納付する株式又は納付された株式により政策的資産構成割合を歪めることのないよう適切なリバランス(「再調整」)を行わなければならない。

   (運用スタイル等の保持)

   ○ 株式で掛金を納付する事業主及び株式による掛金の納付を受ける基金の理事長等は、納付された株式が特定の業種等に集中することにより、株式ポートフォリオのリスク・リターン特性や運用スタイルの組合せの一貫性が損なわれることがないよう留意しなければならない。

  ④ 転売制限等

   ○ 株式で掛金を納付する事業主又は株式による掛金の納付を受ける基金の理事長等は、納付された株式の所有権が事業主又は基金型事業主から運用受託機関又は基金に移転されることから、事業主又は基金型事業主による当該株式の転売制限及び議決権留保等は認められないことに留意しなければならない。

   ○ 株式で掛金を納付する事業主及び株式による掛金の納付を受ける基金の理事長等は、法令上株式の個別銘柄の運用に関して運用受託機関等に指図することはできず、また、忠実義務に反するような運用指図はできないことから、運用受託機関等に対して転売制限等を課すことはできないことに留意しなければならない。

(4)運用の基本方針

   (策定)

   ○ 事業主(受託保証型確定給付企業年金を実施する事業主を除く。)及び理事長等は、運用の基本方針を策定しなければならない(令第 45 条及び規則第 82 条参照)。

   ○ 運用の基本方針は、確定給付企業年金の成熟度・積立水準、事業主又は基金型事業主の掛金負担能力・経営状況等、確定給付企業年金の個別事情に応じて、事業主等自らの判断の下に策定されなければならない。

   (内容)

   ○ 運用の基本方針においては、運用の目的、運用目標、資産構成に関する事項、運用受託機関の選任に関する事項、運用業務に関する報告の内容及び方法に関する事項、運用受託機関の評価に関する事項、運用業務に関し遵守すべき事項、自家運用に関する事項(自家運用を行う基金に限る。)、その他運用業務に関し必要な事項を定めなければならない(令第 45 条及び規則第 83 条参照)。

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   ○ 事業主(受託保証型確定給付企業年金を実施する事業主を除く。)及び基金は、自らの判断の下に政策的資産構成割合を定めなければならない。また、政策的資産構成割合の決定に関し、事業主及び基金に使用され、その事務に従事する者として、専門的知識及び経験を有する者を置くよう努めなければならない。なお、受託保証型確定給付企業年金を実施する事業主は、自らの判断の下に政策的資産構成割合を定めるよう努めなければならない(規則第 84 条参照)。

   ○ 政策的資産構成割合については、ALM分析(資産と負債のバランスが保てるように将来推計をするシミュレーションのこと。)等による将来にわたる資産及び負債の変動予測を踏まえ、確定給付企業年金の個別事情に応じて許容できるリスクの範囲内で最大のリターンを得るような資産構成を求める手法等の合理的な方法により、適切に定められなければならない。

   ○ 事業主(受託保証型確定給付企業年金を実施する事業主を除く。)及び基金は、運用の基本方針に運用受託機関の選任に関する事項を定めるに当たっては、特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が基金の資産全体から見て過度に集中しないよう、集中投資に関する方針を定めなければならない。

   ○ 次のような合理的理由がある場合は、当該集中投資に関する方針にかかわらず、特定の運用受託機関に資産の運用を委託できる旨定めることができるが、当該特定の運用受託機関の信用リスク等に留意しなければならない。

    ① 当該特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品、複数の投資戦略を用いる商品又は複数の商品に投資する場合

    ② 生命保険一般勘定契約又は生命共済一般勘定契約等元本確保型の資産に投資する場合

    ③ その他合理的理由がある場合

   (オルタナティブ投資を行う場合の留意事項)

   ○ オルタナティブ投資(株式や債券等の伝統的な資産以外の資産への投資又はデリバティブ等の伝統的投資手法以外の手法を用いる投資)を行う場合は、運用の基本方針に以下の事項を定めなければならない。

    ① 当該オルタナティブ投資を行う目的

    ② 政策的資産構成割合における当該オルタナティブ投資の位置付けとその割合③ 当該オルタナティブ投資に固有のリスク(例えば、流動性リスク)に関する

     留意事項

   ○ オルタナティブ投資に係る運用受託機関の選任に当たっては、以下の事項に留意しなければならない。

    ア 当該運用受託機関の組織体制に関する事項

     (例)

     •

       組織の概況、意思決定プロセスの流れ

     • コンプライアンス(法令及び運用ガイドラインの遵守状況)等の内部統制体制

     •

       監査体制(内部監査、外部監査)

     • 一般に適正と認められる認証基準等の取得状況

    イ 当該運用受託機関の財務状況等に関する事項

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     (例)

     •

       財務状況の推移

     •

       運用受託実績等の推移

     •

       一般に適正と認められる格付機関等による評価状況

   ○ オルタナティブ投資に係る運用受託機関が用いる運用戦略については、以下の事項を参考にしつつ、運用受託機関に対し、当該運用戦略の内容等についての説明を求め、その内容を確認しなければならない。

   (共通事項)

    ア 当該運用戦略のリターンの源泉

    イ 当該運用戦略のリスク

    ウ 当該運用戦略の時価の算出の根拠、報告の方法

    エ 当該運用戦略に関し情報開示を求めた場合の態勢

    オ 当該運用戦略に係る運用報酬等の運用コスト

   (個別運用戦略)

    ア 外国籍私募投資信託等、海外のファンドを用いた投資を行う場合

     •

       ファンド監査の有無

     • 当該運用受託機関と資産管理機関及び事務処理機関との役員の兼職等の人的関係や資本関係

    イ 先物取引、オプション等のデリバティブ(金融派生商品)を用いた投資を行う場合

     • レバレッジ(先物取引、オプション等を利用し、少額の投資でより多くのリターンを目指す運用手法)によるリスク

    ウ 証券化の手法を用いた戦略に投資を行う場合

     •

       当該戦略の仕組み(原資産の特性を含む)とそれに内在するリスク

    エ 異なる複数のヘッジファンド(様々な投資手法を用いてリスクを抑えつつ、絶対的収益を目指す運用手法を採用するファンド)に投資する運用戦略(ファンド・オブ・ヘッジファンズ)に投資を行う場合

     •

       それぞれの運用戦略の相関関係

    オ 未公開株式や不動産等に投資する場合

     •

       換金条件等の流動性に関する事項

   (策定の手続)

   ○ 運用の基本方針は、基金においては理事会等基金内部での意思決定手続に従って策定されなければならない。また、事業主が運用の基本方針を策定する際は、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って策定することが望ましい。

   ○ 運用の基本方針を作成・変更する際は、加入者の意見を聴かなければならない。(令第45条・規則第84条の2参照)。

   (見直し)

   ○ 運用の基本方針は、中長期的な観点から策定されるべきであるが、確定給付企業年金の状況や環境の変化に応じ、その前提条件との整合性を確認し、定期的に見直しをしなければならない。

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(5)運用の委託

  ① 運用受託機関の選任・契約締結

   (選任の基準)

   ○ 運用受託機関の選任については、運用受託機関の得意とする運用方法を考慮するとともに、運用実績に関する定量評価だけでなく、投資哲学、運用体制等に関する定性評価を加えた総合評価をすることにより行うことが望ましい。

    また、運用受託機関の「責任ある機関投資家の諸原則」(日本版スチュワードシップ・コード)の受け入れやその取り組みの状況、ESG(環境、社会、ガバナンス)に対する考え方を定性評価項目とすることを検討することが望ましい。

    なお、資産の管理を行う資産管理運用機関又は基金資産運用機関(以下「資産管理機関」という。)の選任については、資産管理の委託に当たっての留意事項((7)を参照)も遵守しなければならない。

   ○ 運用受託機関及び資産管理機関の選任にあたっては、その受託する業務(生命保険一般勘定契約又は生命共済一般勘定契約を除く)に係る内部統制の保証報告書(日本公認会計士協会監査・保証実務委員会実務指針第 86 号その他の基準に基づく報告書をいう)等の保証業務の提供を受けていることを定性評価項目とすることが望ましい。

   ○ 運用受託機関の選任の際に理事等が行う運用受託機関に対するヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行うものとする。

    また、その場合にあっては、投資判断を行うファンド・マネジャー等に対するヒアリング及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリングを含めることが望ましい。

   (定量評価の基準)

   ○ 定量評価については、時価による収益率及びリスクを基準とし、資産種類ごとに適切な市場ベンチマーク(市場動向の指標)を設定すること、他の同様の運用を行う運用受託機関の収益率及びリスクとの相対比較を行うこと等、一般的に適正と認められる合理的な基準により行うものとする。

    定量評価の際に提示を受ける収益率及びリスクは、グローバル投資パフォーマンス基準(GIPS)に馴染まない運用商品を除き GIPS に準拠し検証を受けたものなど一定の合理的な方法に基づいて計算され管理されているものであることが望ましい。

    また、アクティブ運用においては、例えばインフォメーションレシオ(超過リターンを得るために、どのくらいリスクが取られたかを計測する指標)等の指標にも留意しなければならない。

    なお、短期の収益率に著しく問題がある場合等を除き、一定の期間(例えば、3 年以上)の実績(実績がない場合にあっては、バックテスト)を評価することが望ましい。

   (定性評価の基準)

   ○ 定性評価については、運用についての基本的考え方、運用責任者及び運用担当者の体制及び能力、調査分析等運用支援の体制、運用状況の報告その他の情報提供内容などを総合的に考慮して行うものとする。

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     具体的な定性評価項目として以下のような例が考えられる。

     (例)

    ア 投資方針

     •

       内容の明確性、合理性、一貫性など

     • 日本版スチュワードシップ・コードの受入表明を行っている運用受託機関

      については、その取組方針

    イ 組織及び人材

     •

       意思決定の流れや責任の所在の明確性

     •

       十分な専門性・経験を有する人材の配置

     • 人材の定着度と運用の継続性・再現性の確保

    ウ 運用プロセス

     •

       投資方針との整合性

     •

       運用の再現性

     •

       リターンの追求方法の合理性・有効性

     • リスク管理指標の合理性・有効性

    エ 事務処理体制

     •

       売買、決済等の事務処理の効率性及び正確性

     • 運用実績の報告の迅速性、正確性、透明性

    オ リスク管理体制

     • 実効性及び適切性など

    カ コンプライアンス

     •

       法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況

     •

       過去における法令違反の有無

     •

       事故発生時における対応体制

     •

       監査の状況(内部監査、外部監査)

   (義務の明確化)

   ○ 運用受託機関と契約を締結するに当たっては、各契約の特性を踏まえ、運用受託機関の義務を明確にしておかなければならない。

   (契約締結の手続)

   ○ 運用受託機関との契約は、当該運用受託機関の選任の理由を明らかにした上、基金においては、理事会等基金内部での意思決定手続に従って締結しなければならない。また、事業主が運用受託機関と契約を締結する際は、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って締結することが望ましい。

  ② 運用受託機関の管理

   (運用ガイドラインの提示)

   ○ 年金運用責任者は、運用の基本方針を踏まえ、文書等による運用ガイドライン(規則第 83 条第4項に規定する運用指針をいう。以下同じ。)により、各運用受託機関に対し、資産構成に関する事項、運用手法(運用スタイル)に関する事項、運用業務に関する報告の内容及び方法に関する事項、運用受託機関の評価に関する事項、運用業務に関し遵守すべき事項、その他運用業務に関し必要な事項

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    を示さなければならない(令第 45 条及び規則第 83 条参照)。

    (注)生命保険一般勘定契約又は生命共済一般勘定契約については、運用ガイドラインを提示する必要はない。

   ○ 日本版スチュワードシップ・コードを受け入れている運用受託機関に次の取組

    みを求めることが望ましい。

    •

      利益相反についての明確な方針の策定と公表

    •

      投資先企業の状況の的確な把握と、その状況の公表

    • 投資先企業との間で、建設的な対話を通じ事業環境についての認識を共有するとともに、認識した課題について改善に向けた取り組みを促すこと

    •

      議決権の行使の方針の提示と行使結果の公表

    •

      目的を持った対話の状況や議決権行使状況についての報告

   (報告の請求)

   ○ 年金運用責任者は、運用受託機関が契約及び運用ガイドラインに沿った運用を行っているかどうかを確認するため、運用受託機関に対し、運用の実態に関する正確かつ必要な情報の報告を求めなければならない。

    (注)情報の内容によっては、資産管理機関に対し報告を求めることが適当な場合がある。

   ○ 年金運用責任者は、運用受託機関に対し、少なくとも毎事業年度ごとに、運用状況についての時価での報告を求めなければならないが、四半期での報告などより高い頻度で報告を求めることが望ましい。

    (注)生命保険一般勘定契約又は生命共済一般勘定契約については、当該契約に係る責任準備金に関する報告で差し支えない。

   ○ 特に、他の資産と合同運用する商品で運用している場合、当該商品の運用方針、資産構成、運用状況、配当の考え方等、各確定給付企業年金の運用実績に影響を与える情報の報告を求めなければならない。

   ○ 運用受託機関が日本版スチュワードシップ・コードを受け入れている場合に

    は、その運用受託機関が行った活動(議決権行使を含む)の実績について報告を受けることが望ましい。また、当該活動について、複数の企業年金が協働してモニタリングする取組に参画することも考えられる。

   ○ そのほか、報告の内容には、運用受託機関の運用方針の変更、運用責任者や運用担当者の大幅な異動等の運用体制の変更等を含めることが望ましい。

   (契約上の義務の違反)

   ○ 年金運用責任者は、運用受託機関が契約上の義務に違反した場合には、運用受託機関の責任を問わなければならない。

  ③ 運用実績の評価と見直し

   (運用評価と見直し)

   ○

    総幹事会社を含む運用受託機関の運用実績については、定期的に評価することが望ましい。また、当該評価を踏まえて必要な場合には、理事会等基金内部での意思決定手続や、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って、運用受託機関の見直し(掛金の払込割合の変更や信託資産又は保険資産若しくは共済資産の移受管)を行うことが望ましい。

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   (運用評価の期間)

   ○ 運用受託機関の運用実績については、短期の運用実績に著しく問題がある場合等を除き、一定の期間(例えば、3 年以上)の実績を評価することが望ましい。

   (運用評価の基準)

   ○ 運用評価の基準については、運用受託機関の選任・契約締結に当たっての留意事項(①)を参照。なお、運用評価の基準は、運用の基本方針及び運用ガイドラインにおいて明示するとともに、運用ガイドラインにより運用受託機関に提示しなければならない。

   (掛金の払込割合の変更等)

   ○ 掛金の払込割合の変更及び信託資産又は保険資産若しくは共済資産の移受管については、政策的資産構成割合を維持するために行う場合を除き、適切な評価に基づいて、事業主等自らの判断の下に行わなければならない。

   (変更等の手続)

   ○ 掛金の払込割合の変更及び信託資産又は保険資産若しくは共済資産の移受管については、その理由を明らかにした上で、基金においては、理事会等基金内部での意思決定手続に従って行わなければならない。また、事業主が移受管を行う際は、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って行うことが望ましい。

  ④ 執行コスト等への配慮

   ○ 有価証券の発注については、運用成果を最大化する観点から、取引手数料のみならずマーケット・インパクト・コスト(投資家自らの売買行動によって生じる取引価格の変動によるコスト)等の総取引コストが最小となるよう、発注の体制や方法等について運用受託機関から報告を求め、評価することが望ましい。

(6)基金における自家運用

  ① 運用の基本方針における規定

   ○ 理事長等は、資産の運用における自家運用の役割と位置付け、管理運用の体制、運用対象及び運用実績の評価方法等を運用の基本方針において規定しなければならない。

  ② 政策的資産構成割合の策定

   ○ 理事長等は、適切な資産の管理運用を行うために政策的資産構成割合を策定しなければならない。

  ③ 運用対象等

   ○ 運用対象及び契約する金融機関又は金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)等(以下「金融機関等」という。)は、法令上規定されているものでなければならない(法第 66 条並びに令第 43 条及び第 44 条参照)。

  ④ 資産状況の把握

   ○ 理事長等は、資産額など資産運用の実態に関する正確かつ必要な情報を把握できる体制を整備し、適切に管理運用業務を行わなければならない。この場合において、有価証券等の売買を行う運用(令第 44 条第2号に掲げる方法をいう。以下同じ。)を実施する場合には、日々の時価による資産額を把握できる体制(時

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    価管理システム)を整備することが望ましい。

  ⑤ 資金の管理

   ○ 理事長等は、資金決済において不足が生じることがないよう、日々現金等を適切に管理しなければならない。

  ⑥ 報告の請求

   ○ 理事長等は、資産管理を行う基金資産運用機関が契約、運用の基本方針及び運用ガイドライン(資産管理に関する事項に限る。)に従った資産管理を行っているかどうかを確認するため、当該基金資産運用機関に対し、少なくとも毎事業年度ごとに資産管理の実態に関する正確かつ必要な情報の報告を求めなければならない。なお、有価証券等の売買を行う運用の場合には、より適切な資産管理を行う必要性から月次ごとに報告を求めることが望ましい。

  ⑦ 契約上の義務の違反

   ○ 理事長等は、金融機関が契約上の義務に違反した場合には、金融機関等の責任を問わなければならない。

  ⑧ 有価証券の売買

   ○ 理事長等は、有価証券について、短期的な見通しに基づく頻繁な売買取引は、かえって取引手数料の増大を招き、結果的に全体としての収益を下げることになる可能性があることに留意しなければならない。

  ⑨ 執行コスト等への配慮

   ○ 有価証券の発注については、運用成果を最大化する観点から、取引手数料のみならずマーケット・インパクト・コスト等の総取引コストが最小となるよう、売買執行体制を整えるとともに発注方法について明確な方針を策定することが望ましい。

  ⑩ 投資信託等への運用に当たっての留意事項

   (商品の特性)

   ○ 理事長等は、投資信託等への運用に当たっては、目論見書や運用報告書等により商品の資産構成やリスク・リターン特性等が基金の政策的資産構成割合等運用の基本方針に適合するものであることについて十分な確認を行わなければならない。

   (私募投資信託の留意事項)

   ○ 私募投資信託については、商品の資産構成やリスク・リターン特性等につき基金の要望を反映した商品設計が可能である一方、公募投資信託と違い、法令上、目論見書の交付等が義務づけられていないことや、デリバティブ等の運用制限がないことに留意しなければならない。

   (外国の投資信託の留意事項)

   ○ 外国投資信託の受益証券又は外国投資証券の売買に当たっては、当該受益証券の発行者があらかじめ金融当局へ届け出た信託約款に係る受益証券又は金融当局への登録を行った投資法人による投資証券であって、日本国内に本店又は主たる事務所を有する金融機関等(金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う外国法人に限る。)を含む。)を対象に売買するものでなければならない。

  ⑪ デリバティブ(金融派生商品)の利用に当たっての留意事項

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   ○ 理事長等は、デリバティブの利用について、現物資産の価格変動リスクの防止や軽減又は政策的資産構成割合の維持を目的とするものに限られ、投機的取引は禁止されていることに留意しなければならない(規則第 81 条参照)。

  ⑫ 株式インデックス運用に当たっての留意事項

   ○ 理事長等は、業種別株価指数など株式の属性により分類された株価指数により運用する場合については、株式ポートフォリオのリスク・リターン特性や運用スタイルの組合せの一貫性が損なわれることがないよう留意しなければならない。

   ○ 理事長等は、株式分割やインデックスの構成銘柄の変更等の情報を速やかに取得し、適正に処理する体制を整えなければならない。

(7)資産管理の委託

  ① 資産の保全

   ○ 年金運用責任者は、資産管理機関の選任に当たっては、資産が滅失又は散逸することのないよう、当該機関の信用力や資産の管理体制について説明を求めなければならない。

  ② 資産管理を行う機関の選任・契約締結等

   (選任の基準)

   ○ 資産管理機関の選任に当たっては、次の点に留意する必要がある。

    ア 資産の分別管理が行われているか。

    イ 資産の売買に伴う受渡し・決済が確実に行われているか。

    ウ 資産の管理に第三者を用いている場合、当該第三者の選任・管理を適切に行っているか。

    エ 資産の管理が保護預かりにより行われている場合、当該資産の管理状況を確認しているか。

   オ 資産の管理を行う部署と運用を行う部署との間に隔壁が設けられているか。(義務の明確化)

   ○ 資産管理機関と契約を締結するに当たっては、各契約の特性を踏まえ、資産管理機関の義務を明確にしておかなければならない。

   (契約締結の手続)

   ○ 資産管理機関との契約は、当該資産管理機関の選任の理由を明らかにした上、基金においては、理事会等基金内部での意思決定手続に従って締結しなければならない。また、事業主が契約を締結する際は、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って締結することが望ましい。

   (契約上の義務の違反)

   ○ 年金運用責任者は、資産管理機関が契約上の義務に違反した場合には、当該機関の責任を問わなければならない。

(8)運用コンサルタント等の利用

   (運用コンサルタント等の利用)

   ○ 運用の基本方針、運用ガイドラインや政策的資産構成割合の策定、運用受託機関の選任、運用評価等に関し、必要な場合には、運用コンサルタント等外部の機関に分析・助言を求めることが考えられる。

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   ○ なお、運用受託機関の選任又は運用評価に関する助言の契約を運用受託機関又は運用受託機関と緊密な資本若しくは人的関係にある機関と締結する場合、助言の中立性・公正性の確保に十分留意する必要がある。

   (運用コンサルタント等の要件)

   ○ 事業主等が契約を締結する運用コンサルタント等は、金融商品取引法(昭和 23年法律第 25 号)第 29 条の規定による投資助言・代理業を行う者としての登録を受けている者でなければならない。

   ○ 事業主等は、運用コンサルタント等と契約を締結する際には、当該運用コンサルタント等の運用機関との契約関係の有無を確認しなければならない。

   (契約内容の明確化)

   ○ 運用コンサルタント等と契約を締結するに当たっては、事業主等が運用コンサルタント等に助言を求める範囲及び運用コンサルタント等の義務を明確にしておかなければならない。

   (契約締結の手続)

   ○ 運用コンサルタント等との契約は、助言を求める理由及び当該運用コンサルタント等の選任の理由を明らかにした上、基金においては理事会等基金内部の意思決定手続に従って締結しなければならない。また、事業主が契約を締結する際は、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適当と認められる意思決定手続に従って契約を締結することが望ましい。

   (契約上の義務の違反)

   ○ 年金運用責任者は、運用コンサルタント等が契約上の義務に違反した場合には、運用コンサルタント等の責任を問わなければならない。

(9)専門性の確保・向上

   ○ 事業主等は、管理運用業務を適正に執行する観点から、適切な資質を持った人材(例えば、年金資産運用に関する実務経験を概ね3年以上有している人材、関連する資格や企業年金連合会等が実施する研修受講歴を有している人材等)を計画的に登用・配置・育成することが望ましい。

   ○ 年金運用責任者は、投資理論、資産運用に関する制度、投資対象の資産の内容等の理解、資産運用環境の把握及び専門性の向上(例えば、研修の受講)に努めなければならない。

(10) 利益相反

  ① 事業主の法令上の禁止行為等

   (禁止行為)

   ○ 事業主は、次の行為をしてはならない(法第 69 条及び規則第 86 条参照)。ア 自己又は加入者等以外の第三者の利益を図る目的をもって、資産管理運用契

     約を締結すること。

    イ 積立金の運用に関し特定の方法を指図すること。

    ウ 特別な利益の提供を受けて契約を締結すること。

   (加入者等以外の第三者)

   ○ 「加入者等以外の第三者」としては、例えば、事業主の取引先、事業主の親族や当該確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所の役員等が考えられる。

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   (特定の方法の指図)

   ○ 「特定の方法を指図すること」としては、例えば、事業主が、自家運用を行うことや投資一任契約を締結せずに運用方法を特定する信託の契約を締結すること等が考えられる。

   (特別な利益の提供)

   ○ 「特別な利益の提供」とは、一般の人や一般の場合と比較して有利な条件で与えられる利益又は一般の人には与えられない特恵的若しくは独占的利益の提供をいい、例えば、金銭の提供、有利な条件による物品等の譲渡、貸付その他信用の供与又は役務の提供等がこれに該当すると考えられる。

  ② 理事の法令上の禁止行為等

   (禁止行為)

   ○ 理事は、次の行為をしてはならない(法第 70 条参照)。

    ア 自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、基金資産運用契約を基金に締結させること。

    イ 自己又は当該基金以外の第三者の利益を図る目的をもって、積立金の運用に関し特定の方法を指図すること。

   (禁止行為の例)

    ア 自家運用を行う場合において、自己又は基金以外の第三者の利益を図る目的で、自己又は自己と利害関係のある者の有する有価証券を自家運用に係る資産で買い取ること。特定信託契約(令第 44 条第1号ニ又は同条第2号ヘに規定する運用方法を特定する信託の契約をいう。以下同じ。)を締結している場合には、この旨を信託銀行に指図すること。

    イ 自家運用を行う場合において、自己又は基金以外の第三者の利益を図る目的で、自己又は自己と利害関係のある者に対し、自家運用に係る有価証券を売り渡すこと。特定信託契約を締結している場合には、この旨を信託銀行に指図すること。

     (注)「自己と利害関係のある者」としては、例えば、理事の親族、基金型事業主及びその役員等が考えられる。

  ③ 忠実義務違反のおそれがある行為

   ○ 下記のa、b及びcの条件を満たすことなく、例えば、理事等がア、イ、ウ等の行為を行う場合には、忠実義務違反を生じるおそれがあることに留意する必要がある。

    a 運用受託機関と積立金の管理及び運用に関する契約を締結することにつき、当該運用受託機関の適正な評価を行った結果である等合理的な理由があること。

    b 事業主等が締結する契約の条件が、通常の契約の条件に比べ加入者等又は基金にとって不利なものでないこと。

    c 運用受託機関に対する指示や指図が加入者等又は基金に不利益をもたらすものでないこと。

     ア 事業主又は基金型事業主と運用受託機関(運用受託機関と緊密な資本又は人的関係のある会社を含む。)との間に緊密な資本関係、取引関係又は人的

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      関係がある場合において、事業主自らが当該運用受託機関との間で資産管理運用契約を締結すること、又は基金型事業主が基金をして当該運用受託機関との間で基金資産運用契約を締結させること。

     イ 基金における自家運用の場合において、特定信託契約を締結している信託銀行に対し、基金型事業主又は基金型事業主と緊密な資本若しくは人的関係のある会社(以下「関係会社」という。)が発行する有価証券を購入するよう、指図すること。

     ウ 理事が、運用受託機関に対し、基金型事業主又は関係会社である金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)と有価証券の売買を行ったり、これに売買の委託を行うよう、指示すること。

  ④ 基金から基金型事業主への注意喚起

   ○ 理事は、管理運用業務の執行に当たっては、もっぱら加入者等の利益を考慮すべきであり、基金型事業主の利益に配慮することが加入者等の利益を犠牲にするような場合には、基金に対する忠実義務に違反することについて、基金型事業主の理解が得られるよう努めなければならない。

(11) 基金の理事の責任

  ① 管理運用に係る意思決定に関する理事の責任

   (理事の義務)

   ○ 理事は、常勤・非常勤にかかわらず、基金から委任を受け、理事会において管理運用業務に関する意思決定を行うが、その勤務形態及び職責の内容に応じ善管注意義務及び忠実義務を負う。

   (理事の責任)

   ○ 理事は、管理運用業務に関する意思決定について善管注意義務又は忠実義務に違反した場合には、基金に対し連帯して損害賠償を負う(法第 70 条参照)。

  ② 管理運用業務の執行に関する理事の責任

   (理事長の義務)

   ○ 理事長は、管理運用業務の執行全般について基金に対し善管注意義務及び忠実義務を負う。他の理事への権限委任、他の理事による補佐又は報酬受領の有無にかかわらず、その義務を免れることはできない。

   (管理運用業務を執行する理事の義務)

   ○ 管理運用業務を執行する理事(運用執行理事、常務理事等)は、基金に対し善管注意義務及び忠実義務を負う。

    なお、自家運用を行う基金の運用執行理事は、積立金の運用すべてを外部の機関に委託している基金の運用執行理事に比べ、運用に関する高い水準の専門的能力が求められる。

   (理事長等の責任)

   ○ 理事長等が管理運用業務の執行に当たり善管注意義務又は忠実義務に違反した場合には、連帯して基金に対し損害賠償責任を負う。その場合、理事会の意思決定において理事長等の反対意見が会議録(議事録)にとどめられていたとしても、理事長等がそれに基づき管理運用業務を執行したときには、責任を問われる可能性がある。

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  ③ 義務履行の評価

   (職務遂行過程による判断)

   ○ 理事が義務を果たしたかどうかは、運用実績などの結果で判断するのではなく、職務遂行の時点を基準として、その職務遂行の過程が適切かどうかにより判断すべきものである。

   (状況に応じた評価)

   ○ 理事が義務を果たしたかどうかは、意思決定や業務執行の時点における基金の実状その他の具体的な状況に照らして総合的に判断すべきものである。

(12) 基金における理事以外の資産運用関係者

  ① 代議員

   (議決に当たっての留意事項)

   ○ 代議員会は、規約の変更、毎事業年度の予算、事業報告及び決算その他基金の運営上の重要事項を決定する議決機関であるが、代議員は、議決に当たっては、もっぱら加入者等の利益を考慮し、これを犠牲にして加入者等以外の者の利益を図ってはならない(法第 19 条参照)。

   (理事の業務執行の確認)

   ○ 代議員会において、管理運用業務に関する事項の議決をする際には、代議員は、理事が管理運用業務を適正に執行しているかどうかを確認しなければならない。

   (監査の請求)

   ○ 代議員会は、監事に対し、基金の管理運用業務に関する監査を求め、その結果の報告を求めることができる(法第 19 条参照)。

   (理事の交代の議決)

   ○ 基金は、代議員会の議決を経て、法第 70 条に規定する禁止行為(3(10)②の禁止行為)をした理事を、規約で定めるところにより、交代させることができる(法第 70 条参照)。

  ② 監事

   (監査の実施)

   ○ 監事は、自ら又は代議員会の求めにより、基金の業務を監査する(法第 22 条参照)。監査は、別に定める要綱に基づき、監査規程を設け、適正かつ厳正に監査を実施しなければならない。

   (監査に関する責任)

   ○ 監事は、基金から委任を受けて監査業務を遂行する。このため、監事は、監事として通常要求される程度の注意をもって、理事の業務執行の状況を監査しなければならない。

   (代表権の行使に関する責任)

   ○ 理事長が利益相反行為につき代表権を制限された場合、監事が基金を代表する(法第 23 条参照)。この場合、監事は、代表権の行使に当たり、基金に対し理事長と同様の責任を負う。

4 資産運用委員会

 (設置)

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 ○ 次の①又は②のいずれかに該当する事業主等(以下「対象事業主等」という。)は、年金運用責任者に対し意見を述べるため、資産運用委員会を設置しなければならない(令第 46 条の2及び規則第 84 条の4参照)。

  ① 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、積立金( 純資産)の額が 100 億円以上であること。

  ② 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、責任準備金の額又

   は最低積立基準額のいずれか低い額が 100 億円以上であること。

 ○ なお、対象事業主等に該当しない場合においても資産運用委員会を設置することが

  望ましい。

 (役割)

 ○ 資産運用委員会の役割としては、運用の基本方針、運用ガイドラインや政策的資産構成割合の策定及び見直し、運用受託機関等の評価等に関し、年金運用責任者へ意見を述べること等が考えられる(令第 46 条の2参照)。資産運用委員会の委員は、確定給付企業年金の個別事情に応じて審議することになるが、もっぱら加入者等の利益を考慮し、これを犠牲にして、加入者等以外の者の利益に配慮すべきではない。

 ○ なお、運用の基本方針の作成又は変更に当たって、規則第 84 条の2第1項第1号に規定する委員会において加入者の意見を聴く場合においては、当該委員会を加入者を代表する者を構成員とする資産運用委員会によって代替することが可能であること。

 (構成)

 ○ 資産運用委員会は、規約型企業年金の場合においては、規約型企業年金の実施事業所の財務又は労務に関する業務を担当する役員等及び労働組合等の加入者を代表する者で構成することが考えられるが、実状に応じ、専門家等の外部の者を委員とすることも考えられる。基金においては、理事、代議員、基金型事業主の財務又は労務に関する業務を担当する役員等の中から理事長が選任する者で構成されることが考えられるが、実状に応じ、専門家等の外部の者を委員とすることも考えられる。ただし、資産運用委員会が運用受託機関等の評価を行う場合には、運用受託機関等の関係者である委員が審議に加わることは適当でない(令第 46 条の2及び規則第 84 条の5参照)。

 (位置付け等)

 ○ 資産運用委員会の議事については記録にとどめて保存するものとし、事業主等は当該議事の概要について、加入者に周知しなければならない。また、理事長等は、当該議事の状況その他の情報について直近の代議員会に報告しなければならない(規則第84 条の6参照)。

 ○ 事業主等は、資産運用委員会の議事の概要について、加入者以外の者(事業主等が給付又は一時金たる支給の義務を負っている者)にも周知が行われるよう努めるものとする(規則第 84 条の6参照)。

 ○ 資産運用委員会の位置付けや開催の手続等については、各確定給付企業年金の実状に応じて定められるべきものであるが、事業主等の業務の執行に関する意思決定はあくまで事業主又は理事会が行うべきものであることに留意する必要がある。

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5 運用受託機関

 (運用受託機関の忠実義務)

 ○ 資産管理運用機関は、法令及び資産管理運用契約を遵守し、加入者等のため忠実にその業務を遂行しなければならない。(法第 71 条参照)

 ○ 基金資産運用機関は、法令及び基金資産運用契約を遵守し、基金のため忠実にその業務を遂行しなければならない。(法第 72 条参照)

6 その他

(1)会議録等の作成・保存

 (業務執行の記録)

 ○ 理事等は、管理運用業務のうち主要な事項について、その執行の過程及び結果を記録にとどめ、保存するものとする。また、記録には、意思決定の内容、理由、根拠となった情報及び手続について記載しておくことが望ましい。

 (基金における理事会の会議録)

 ○ 理事会における会議の状況及び決定事項については、つとめて詳細に記録し、整理保存するものとする。特に、理事会での議決において、反対意見があった場合には、これを会議録にとどめておくことが望ましい。

 (基金における代議員会の会議録)

 ○ 代議員会の会議録は、つとめて詳細に記録し、整理保存するものとする。特に、代議員会での議決において、反対意見があった場合には、これを会議録にとどめておくことが望ましい。

 (基金における監事の記録)

 ○ 監事は、その職務を行ったときは、記録を作成しなければならない。

 (労働組合等の同意を得た際の記録)

 ○ 事業主は、管理運用業務に係る事項について、労働組合等の同意を得るに当たっては、その同意を得るまでの議論の状況等を、つとめて詳細に記録し、整理保存することが望ましい。

(2)基金における代議員会への報告

 (報告)

 ○ 理事は、代議員会に対し、管理運用業務に関する情報を、正確に、かつ、わかりやすく報告しなければならない。

 (報告の内容)

 ○ 報告の内容としては、次の事項が考えられる。

 ア 運用の基本方針及び運用ガイドライン

 イ 運用受託機関の選任状況

 ウ 運用受託機関の評価結果

 エ 運用受託機関のリスク管理状況

 オ 運用結果(時価による資産額、資産構成、収益率、リスク、運用受託機関ごとの運用実績等)

 カ 運用受託機関から受け取ったスチュワードシップ活動に関する報告

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 キ 基金の管理運用体制の状況

 ク 理事会における議事の状況

 ケ 資産運用委員会における議事の状況その他の情報

(3)加入者等への業務概況の周知

 (加入者への周知)

  ○ 事業主等は、加入者に対し、毎事業年度一回以上、管理運用業務に関する規約

   並びに次のaからcまでの事項を、ア、イ、ウ、エ、オのいずれかの方法により

   周知させなければならない。(法第 73 条及び規則第 87 条参照)

    a 積立金の運用収益又は運用損失及び資産の構成割合その他積立金の運用の

     概況

    b 運用の基本方針の概要等

    c 資産運用委員会を設置している場合にはその議事の概要等

     ア 常時設立事業所の見やすい場所へ掲示する方法

     イ 書面を加入者に交付する方法

     ウ 電磁的記録媒体(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)に係る記録媒体をいう。)に記録し、かつ、各設立事業所に加入者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する方法

     エ 電子情報処理組織(送信者の使用に係る電子計算機と、受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。)を使用する方法のうち以下のどちらかに該当するものにより加入者に提供する方法

      ・ 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法

      ・ 送信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された書面により通知すべき事項を電気通信回線を通じて受信者の閲覧に供し、当該受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該事項を記録

       する方法

     オ その他周知が確実に行われる方法(例えば規約型企業年金の実施事業所又は基金のホームページへの掲載など)

   ○ 事業主等は、当該規約の変更を行った場合は、速やかにその周知を行わなければならない。

   ○ なお、事業主等は、管理運用業務に係る事項について労働組合等の同意を得るまでの議論又は理事会及び代議員会における議事の状況その他の情報についても希望があれば提供する旨を、加入者に対し、あらかじめ知らせておくことが望ましい。

   ○ また、事業主等は運用受託機関から、その運用受託機関が行ったスチュワードシップ活動に関し報告を受けた場合には、当該報告についても、加入者に対し周

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    知することが望ましい。

   ○ また、加入者の関心・理解を深めるため、必要に応じて図表を用いる等加入者へわかりやすく開示するための工夫を講ずることが望ましい。積立水準等について他の確定給付企業年金との比較をすることなども考えられる。

   ○ 加えて、加入者の利益に資するよう、加入者への周知事項や他の関連事項(例えば、専門人材の活用に係る取組状況)を、ホームページ等で一般的に閲覧できる状況にすることも考えられる。

   ○ その他、確定給付企業年金を実施する事業主は、企業の退職金制度の全体像及びその中での当該確定給付企業年金の位置づけを解説すること等も考えられる。基金においても、基金型事業主と十分に連携し情報提供を受けた上で、同様の解説をするか、あるいは、基金型事業主に同様の解説を促すことが望ましい。

   (加入者以外の者への周知)

   ○ 事業主等は、ア、イ、ウ、エ、オのいずれかの方法を選択するときは、加入者以外の者(事業主等が給付又は一時金たる支給の義務を負っている者で、当該確定給付企業年金の加入者でない者)にも周知が行われる方法を選択するよう努めなければならない。

(4)基金から基金型事業主への情報提供

   ○ 理事長等は、基金型事業主に対し、定期的に、又はその求めに応じて、管理運用業務の状況に関する情報を提供しなければならない。

(5)管理運用業務に関する情報開示に当たっての留意点

   ○ 理事等は、(2)から(4)までについての報告、周知又は情報提供を行うに当たっては、できる限り平易な表現を用いなければならない。

(6)アセットオーナー・プリンシプル

   ○ 事業主等が、加入者等の最善の利益を追求するための備えがあることを自ら点検し、それぞれのステークホルダー(加入者等を含む。以下同じ。)あるいは対外的に示すことで理解や対話、協働につなげ、運用力の向上を図っていく観点から、企業年金を含むアセットオーナーに求められる共通の原則を定めるアセットオーナー・プリンシプル(内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局 2024年8月28日)の受入れを検討することが望ましい。

   ○ なお、当該プリンシプルは法令と異なり、法的拘束力を有さず、一律に対応を求めるものではない。当該プリンシプルを受け入れる場合でも、全ての原則を一律に実施しなければならないわけではなく、いわゆる「コンプライ・オア・エクスプレイン」の手法が採用されている(原則の中に、自らの個別事情に照らして実施することが適切でないと考える原則があれば、それを「実施しない理由」を十分に説明することにより、一部の原則を実施しないことも想定されている)。

   ○ また、当該プリンシプルに基づくアセットオーナーの活動については、運用状況についての情報提供を通じたステークホルダーとの対話も踏まえつつ、各アセットオーナーにおいて適切な手続きに基づく意思決定の下、必要に応じて見直しが図られていくことが期待されている。