平成30年2月5日年企発0205第1号
(地方厚生(支)局長あて 厚生労働省年金局企業年金・個人年金課長)
確定拠出年金法等の一部を改正する法律(平成28年法律第66号)の一部が平成30年5月1日から施行されることに伴い、企業型年金又は確定給付企業年金と中小企業退職金共済との間での資産の移換を行う際の事務取扱について、別紙「企業年金制度と中小企業退職金共済制度間の移行に係る事務取扱準則」によることとしたので、遺憾のないように取り扱われたい。
(別紙)
企業年金制度と中小企業退職金共済制度間の移行に係る事務取扱準則
第1 この通知において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1 企業年金制度 企業型年金と確定給付企業年金をいう。
2 合併等 確定拠出年金法(平成13年法律第88号)第54条の5、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)第82条の4第1項及び中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号)第31条の4第1項に規定する合併等をいう。
3 企業型年金 確定拠出年金法第2条第2項に規定する企業型年金をいう。
4 個人型年金 確定拠出年金法第2条第3項に規定する個人型年金をいう。
5 国基連 確定拠出年金法第2条第5項に規定する連合会をいう。
6 資産管理機関 確定拠出年金法第2条第7項第1号ロに規定する資産管理機関をいう。
7 企業型年金加入者 確定拠出年金法第2条第8項に規定する企業型年金加入者をいう。
8 企業型年金運用指図者 確定拠出年金法第2条第9項に規定する企業型年金運用指図者をいう。
9 個人型年金加入者 確定拠出年金法第2条第10項に規定する個人型年金加入者をいう。
10 個人型年金運用指図者 確定拠出年金法第2条第11項に規定する個人型年金運用指図者をいう。
11 個人別管理資産 確定拠出年金法第2条第12項に規定する個人別管理資産をいう。
12 企業型記録関連運営管理機関等 確定拠出年金法第17条に規定する企業型記録関連運営管理機関等をいう。
13 通算加入者等期間 確定拠出年金法第33条第1項の通算加入者等期間をいう。
14 連合会移換者 確定拠出年金法第55条第2項第6号に規定する連合会移換者をいう。
15 確定給付企業年金 確定給付企業年金法第2条第1項に規定する確定給付企業年金をいう。
16 事業主等 確定給付企業年金法第29条第1項に規定する事業主等をいう。
17 資産管理運用機関等 確定給付企業年金法第30条第3項に規定する資産管理運用機関等をいう。
18 リスク分担型企業年金 確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号)第1条第3号の規定するリスク分担型企業年金をいう。
19 通常予測給付現価 確定給付企業年金法施行規則第43条の規定に基づき計算した給付に要する費用の通常の予測に基づく予想額の現価に相当する額をいう。
20 中途脱退者 確定給付企業年金法施行令(平成13年政令第424号)第50条の2第1項に規定する中途脱退者をいう。
21 終了制度加入者等 確定給付企業年金法第89条第6項に規定する終了制度加入者等をいう。
22 企年連 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号)附則第3条第13号に規定する存続連合会及び確定給付企業年金法第91条の2第1項に規定する連合会をいう。
23 退職金共済契約 中小企業退職金共済法第2条第3項に規定する退職金共済契約をいう。
24 共済契約者 中小企業退職金共済法第2条第6項に規定する共済契約者をいう。25 被共済者 中小企業退職金共済法第2条第7項に規定する被共済者をいう。
26 非中小解除 中小企業退職金共済法第8条第2項第2号の規定により共済契約者が中小企業者でない事業主となり退職金共済契約を解除されることをいう。
27 解約手当金相当額 中小企業退職金共済法第17条第1項又は第31条の4第1項に規定する解約手当金に相当する額をいう。
第2 確定拠出年金法第54条の5の規定による企業型年金から中小企業退職金共済(以下「中退共」という。)への個人別管理資産の移換について
1 企業型年金の規約に定める事項等
(1) 企業型年金を実施する事業主は、確定拠出年金法第54条の5の規定により資産管理機関に対して、合併等により企業型年金加入者の資格を喪失した者の
うち同条の同意を得た者(以下「確定拠出年金対象申出同意者」という。)の個
人別管理資産を企業型年金から中退共へ移換する旨の申出(以下「確定拠出年
金対象申出」という。)を行う際には、次に掲げる事項を企業型年金の規約に定
めること。
① 確定拠出年金対象申出の契機となった合併等を実施した年月日及び当該合
併等を契機として中退共に個人別管理資産を移換すること。合併等を実施した年月日とは、合併等の効力が生じた日をいう(第3の1(1)①において同じ。)。
② 企業型年金を終了せずに、企業型年金加入者が合併等により企業型年金加
入者の資格を喪失する場合にあっては、確定拠出年金法第11条第5号の規定により企業型年金加入者の資格を喪失すること。
③ 個人別管理資産の移換に伴い、通算加入者等期間から控除される期間の範
囲
(2) 前記(1)の規約変更を行う場合にあっては、合併等を実施したことを証する書類を添付すること。合併等を実施したことを証する書類は、例えば、①
会社合併を行った場合には「合併契約書の写し」、「株主総会の議事録」及び「登
記事項証明書」の3点、②会社分割を行った場合には「分割契約書の写し又は
分割計画書の写し」、「株主総会の議事録」、「登記事項証明書」及び「事業主か
らの証明書(分割により労働契約の承継がなされた対象従業員がわかるもの)」の4点、③事業譲渡を行った場合には、「事業譲渡契約書の写し」、「株主総会の
議事録」及び「事業主からの証明書(事業譲渡により労働契約の承継がなされ
た対象従業員がわかるもの)」の3点(第3の1(2)において同じ。)(確定拠
出年金法施行規則(平成13年厚生労働省令第175号)第6条第1項第7号)
2 移換申出の手続
企業型年金を実施する事業主は、以下に掲げる手続を行うこと。
(1) 独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「勤退機構」という。)から移換に必要な書類の送付を受けること。
(2) 確定拠出年金対象申出を行う場合にあっては、合併等を行った日から起算して1年以内に確定拠出年金対象申出同意者の同意書を付して確定拠出年金対
象申出をしたことを証する書類に必要事項を記載し、企業型記録関連運営管理
機関等を通じて資産管理機関に申し出ること。(確定拠出年金法施行令(平成
13年政令第248号)第26条の2、確定拠出年金法施行規則第31条の3)
(3) 企業型記録関連運営管理機関等から受領証明を受けた確定拠出年金対象申出をしたことを証する書類を付して勤退機構へ退職金共済契約を締結するため
の申込みを確定拠出年金対象申出と併せて行うものであること。なお、企業型
年金加入者であった期間と中退共の加入期間との間に空白期間や重複期間が生
じないことが望ましいことから、企業型年金加入者の資格喪失日に中退共に加
入するものであること。(中小企業退職金共済法施行規則(昭和34年労働省令
第23号)第69条の11第2項及び第3項)
(4) 中小企業退職金共済法第31条の3第1項(同条第6項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定により企業型年金から中退共への移換額の総
額の申出(以下「確定拠出年金移換額申出」という。)を行う場合にあっては、次の①から②の手順で手続を行うこと。
① 企業型記録関連運営管理機関等から次に掲げる事項の内容の報告を受ける
こと。(確定拠出年金法施行規則第31条の4第1項)
ア 確定拠出年金対象申出同意者に係る移換額及びその総額
イ 確定拠出年金対象申出同意者ごとの移換額の算定の基礎となった期間の開始日及び移換額の算定の基礎となった期間の月数
② 確定拠出年金移換額申出に係る申出書に、以下に掲げる書類を付して勤退
機構へ提出すること。ただし、カに掲げる書類は中小企業退職金共済法第31条の3第6項の規定により読み替えて準用する同条第1項の規定により確定拠出年金移換額申出を行う場合に限り提出する必要があること。(中小企業退職金共済法施行規則第69条の10並びに第69条の11第1項及び第3項)
ア 前記1で承認を受けた企業型年金の規約の写し
イ 前記1の規約変更に係る承認通知書の写し
ウ 確定拠出年金移換額申出に係る証明書類(前記①アに掲げる確定拠出年金対象申出同意者に係る移換額及びその総額を含む。)
エ 確定拠出年金対象申出同意者の同意書の写し
オ 前記①イを証する書類
カ 確定拠出年金対象申出をしたことを証する書類
3 企業型年金加入者であった者に説明する事項
企業型年金を実施する事業主は、以下に掲げる事項を企業型年金加入者であった者に対して説明すること。(確定拠出年金法施行令第25条第2項並びに確定拠出年金法施行規則第30条の2第2項第2号及び第3項)
(1) 確定拠出年金対象申出(企業型年金加入者の資格喪失日)と同日に中退共に加入した被共済者の移換額については、中退共の掛金納付月数(移換額の算
定の基礎となった期間の月数が上限)に通算されること。この場合における退
職金共済契約は、当該退職金共済契約を締結した日の属する月から当該通算月
数分遡った月に効力が生じたものとみなすこと。
また、確定拠出年金対象申出(企業型年金加入者の資格喪失日)より前に中退共に加入している被共済者の移換額については、掛金納付月数への通算は行
われず、全額が別建てで運用されること。
(2) 企業型年金に加入していた期間(勤続年数を含む。)は、移換先の中退共の制度設計に合わせること。したがって、企業型年金に加入していた期間は、中
退共の掛金納付月数に換算された場合に当該掛金納付月数は企業型年金に加入
していた期間より短くなる可能性があること。
また、中退共での退職金の額は、中退共における掛金納付月数(企業型年金からの移換に伴い、中退共の掛金納付月数に換算された月数を含む。)が短い場
合には、企業型年金からの移換額と中退共加入後に納付した掛金の総額の合算
額より下回ることがあること。
(3) 中退共に移換した企業型年金の個人別管理資産に係る期間(当該個人別管理資産に他の制度又は国基連から移換を受けた資産を含む場合は、当該資産に
係る期間を含み、企業型年金運用指図者期間及び個人型年金運用指図者期間を
除く。)は通算加入者等期間から控除されることとなること。
(4) 確定拠出年金対象申出同意者以外の者(連合会移換者となった者を除く。)であって、個人型年金加入者又は個人型年金運用指図者(以下「個人型年金加
入者等」という。)の資格を取得する又はしている場合には、国基連への個人別
管理資産の移換及び脱退一時金の受給ができること(確定拠出年金法附則第2
条の2又は第3条の規定により脱退一時金の請求ができる者に限る。)。なお、
個人型年金加入者等の資格を取得しない場合であって、脱退一時金の請求がで
きる者に該当するときは、脱退一時金の受給ができること。また、事業主が確
定給付企業年金を実施している場合であって、当該確定給付企業年金の規約に
個人別管理資産の移換を受ける旨の定めがあるときは、当該確定給付企業年金
に個人別管理資産を移換することができること。
(5) (4)の移換等の選択を行わない場合であって、個人型年金加入者等の資格を取得していないとき、企業型年金加入者の資格を喪失した日の属する月の
翌月から起算して6月を経過した場合(確定拠出年金対象申出に同意している
場合を除く。)には連合会移換者となること。その場合には、当該移換に係る手
数料を負担する必要があるほか年金資産の運用機会を逸するおそれがあること。(6) 退職金共済契約が解除された場合は、中小企業退職金共済法第31条の3第4項又は第8項の規定により被共済者に解約手当金が支給されること(支給時
期は、企業型年金から中退共へ個人別管理資産が移換された後となる。)。また、
当該解約手当金は、税制上、一時所得の取扱いとなること。
第3 確定給付企業年金法第82条の4第1項の規定による確定給付企業年金から中退共への積立金等の移換について
1 確定給付企業年金の規約に定める事項等
(1) 確定給付企業年金を実施する事業主等は、確定給付企業年金法第82条の4第1項の規定により資産管理運用機関等に対して、合併等により確定給付企業
年金の加入者の資格を喪失した者のうち同項の同意を得た者(以下「確定給付
企業年金対象申出同意者」という。)の確定給付企業年金の積立金(同法第83
条の規定により当該確定給付企業年金を終了する場合は、同法第89条第6項に
規定する残余財産。以下同じ。)を中退共へ移換する旨の申出(以下「確定給付
企業年金対象申出」という。)を行う際には、次に掲げる事項を確定給付企業年
金の規約に定めること。
① 確定給付企業年金対象申出の契機となった合併等を実施した年月日及び
合併等を契機として中退共に積立金を移換すること。
② 確定給付企業年金を終了せずに、確定給付企業年金の加入者が合併等によ
り確定給付企業年金の加入者の資格を喪失する場合にあっては、確定給付企業年金法第27条第5号の規定により確定給付企業年金の加入者の資格を喪失すること。
③ 確定給付企業年金を終了する場合にあっては、残余財産の分配方法
④ 確定給付企業年金法施行令第54条の8第2号に規定する中小企業退職金
共済対象移換相当額を積立金が下回る場合における不足額について、確定給付企業年金を実施する事業主が掛金として一括して拠出すること。
⑤ 確定給付企業年金法施行規則第96条の9において読み替えて準用する同
令第87条の2第1項各号の規定に基づく一括拠出に係る積立金の算定方法
⑥ 確定給付企業年金法施行規則第96条の11の規定により確定給付企業年金
の加入者の資格を喪失した者に対して積立金の移換に関して必要な事項を説明すること。
(2) 前記(1)の規約変更を行う場合にあっては、合併等を実施したことを証する書類を添付すること。なお、前記(1)の移換の同意に加え、給付の減額
を行う場合にあっては給付減額の同意、制度終了をする場合にあっては終了時
の同意が必要であることに留意すること。(確定給付企業年金法施行規則第8条
第1項第9号)
2 移換申出の手続
確定給付企業年金を実施する事業主は、以下に掲げる手続を行うこと。
(1) 勤退機構から移換に必要な書類の送付を受けること。
(2) 確定給付企業年金対象申出を行う場合にあっては、合併等を行った日から起算して1年以内に確定給付企業年金対象申出同意者の同意書を付して確定給
付企業年金対象申出をしたことを証する書類に必要事項を記載し、資産管理運
用機関等に申し出ること。(確定給付企業年金法施行令第54条の8第1号)
(3) 資産管理運用機関等から受領証明を受けた確定給付企業年金対象申出をしたことを証する書類を付して勤退機構へ退職金共済契約を締結するための申込
みを確定給付企業年金対象申出と併せて行うものであること。なお、確定給付
企業年金の加入者であった期間と中退共の加入期間との間に空白期間や重複期
間が生じないことが望ましいことから、確定給付企業年金の加入者の資格喪失
日に中退共に加入するものであること。(中小企業退職金共済法施行規則第69
条の11第2項及び第3項)
(4) 中小企業退職金共済法第31条の3第1項(同条第6項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定により確定給付企業年金から中退共への移換
額の総額の申出(以下「確定給付企業年金移換額申出」という。)を行う場合に
あっては、次の①から②の手順で手続を行うこと。
① 資産管理運用機関等から必要に応じて次に掲げる事項の内容の報告を受け
確認すること。
ア 確定給付企業年金対象申出同意者に係る移換額及びその総額
イ 確定給付企業年金対象申出同意者ごとの移換額の算定の基礎となった期間の開始日及び移換額の算定の基礎となった期間の月数
② 確定給付企業年金移換額申出に係る申出書に、以下に掲げる書類を付して
勤退機構へ提出すること。ただし、カに掲げる書類は中小企業退職金共済法第31条の3第6項の規定により読み替えて準用する同条第1項の規定により確定給付企業年金移換額申出を行う場合に限り提出する必要があること。(中小企業退職金共済法施行規則第69条の10並びに第69条の11第1項及び第3項)
ア 前記1で承認を受けた確定給付企業年金の規約の写し
イ 前記1の規約変更に係る承認(認可)通知書の写し
ウ 確定給付企業年金移換額申出に係る証明書類(前記①アに掲げる確定給付企業年金対象申出同意者に係る移換額及びその総額を含む。)
エ 確定給付企業年金対象申出同意者の同意書の写し
オ 前記①イを証する書類
カ 確定給付企業年金対象申出をしたことを証する書類
3 確定給付企業年金の加入者であった者に説明する事項
確定給付企業年金を実施する事業主等は、以下に掲げる事項を確定給付企業年金の加入者であった者に対して説明すること。(確定給付企業年金法施行規則第96条の11)
(1) 確定給付企業年金対象申出(確定給付企業年金の加入者の資格喪失日)と同日に中退共に加入した被共済者の移換額については、中退共の掛金納付月数
(移換額の算定の基礎となった期間の月数が上限)に通算されること。この場
合における退職金共済契約は、当該退職金共済契約を締結した日の属する月か
ら当該通算月数分遡った月に効力が生じたものとみなすこと。
また、確定給付企業年金対象申出(確定給付企業年金の加入者の資格喪失日)より前に中退共に加入している被共済者の移換額については、掛金納付月数へ
の通算は行われず、全額が別建てで運用されること。
(2) 確定給付企業年金に加入していた期間(勤続年数を含む。)は、移換先の中退共の制度設計に合わせること。したがって、確定給付企業年金に加入してい
た期間は、中退共の掛金納付月数に換算された場合に当該掛金納付月数は確定
給付企業年金に加入していた期間より短くなる可能性があること。
また、中退共での退職金の額は、中退共における掛金納付月数(確定給付企業年金からの移換に伴い、中退共の掛金納付月数に換算された月数を含む。)が
短い場合には、確定給付企業年金からの移換額と中退共加入後に納付した掛金
の総額の合算額より下回ることがあること。
(3) 確定給付企業年金対象申出同意者以外の者に対しては、次の場合に応じ、それぞれの選択肢があること。
① 個人型年金加入者の資格を取得する又はしている場合
ア 中途脱退者 国基連又は企年連への脱退一時金相当額の移換、脱退一時金の繰下げ(確定給付企業年金の規約において繰下げができる旨が定められている場合に限る。)及び脱退一時金の受給又は事業主が企業型年金を実施している場合には、当該企業型年金への脱退一時金相当額の移換
イ 終了制度加入者等 企年連への残余財産の移換及び残余財産分配金の受給又は事業主が企業型年金を実施している場合であって残余財産を企業型年金へ移換する旨を規約に定めている場合には、当該企業型年金への残余財産の移換
② 個人型年金加入者の資格を取得しない場合
ア 中途脱退者 企年連への脱退一時金相当額の移換、脱退一時金の繰下げ(確定給付企業年金の規約において繰下げができる旨が定められている場合に限る。)及び脱退一時金の受給又は事業主が企業型年金を実施している場合には、当該企業型年金への脱退一時金相当額の移換
イ 終了制度加入者等 企年連への残余財産の移換及び残余財産分配金の受給又は事業主が企業型年金を実施している場合であって残余財産を企業型年金へ移換する旨を規約に定めている場合には、当該企業型年金への残余財産の移換
(4) 確定給付企業年金の本人拠出相当額は拠出時に課税、給付時に非課税の取扱いとなっていたが、確定給付企業年金から中退共へ積立金を移換した場合に
あっては、給付時に課税されることとなること。
(5) 退職金共済契約が解除された場合は、中小企業退職金共済法第31条の3第4項又は第8項の規定により被共済者に解約手当金が支給されること(支給時
期は、確定給付企業年金から中退共へ積立金を移換された後となる。)。また、
当該解約手当金は、税制上、一時所得の取扱いとなること。
第4 中小企業退職金共済法第17条第1項の規定による非中小解除又は同法第31条の4第1項の規定による合併等を事由とする退職金共済契約の解除(以下「共済契約解除」という。)により中退共から企業年金制度への解約手当金相当額の引渡し又は移換(以下「移換等」という。)について
1 企業年金制度が中退共から解約手当金相当額の移換等を受ける場合の手続は、手続の主体が企業型年金を実施する事業主又は確定給付企業年金を実施する事業主等の場合に応じて次のとおりであること。
(1) 企業型年金を実施する事業主は、次に掲げる事項を企業型年金の規約に定めること。ただし、非中小解除により解約手当金相当額の引渡しを受ける場合
にあっては、退職金共済契約の解除の日から3月以内に勤退機構に変更後の規
約を提出できるように、合併等により解約手当金相当額の移換を受ける場合に
あっては、移換を行う共済契約者が勤退機構に退職金共済契約の解除の通知を
行う際に変更後の規約を提出できるように、規約に定める必要があること。
① 共済契約解除を契機として、勤退機構から解約手当金相当額の移換等を受
けることができること。
② 勤退機構から移換等がなされる解約手当金相当額は、被共済者の個人別管
理資産に充てられる資産として一括して払い込まれるものであること。(中小企業退職金共済法施行規則第31条第2号ロ及び第69条の17第2号イ)
③ 事業主が企業型年金を実施しようとするときは、厚生年金保険の被保険者
たる従業員の過半数で組織する労働組合等の同意を得る必要があるが、企業型年金の規約で定めるところにより、60歳以上の継続雇用者であって、勤退機構からの解約手当金相当額の移換等に係る従業員も含めること。(確定拠出年金法施行令第1条の2)
④ 原則として企業型年金加入者となることができる者は「60歳以下の者」に
限られるが、企業型年金の規約で定めるところにより、60歳以上の継続雇用者であって、勤退機構からの解約手当金相当額の移換等に係る者については、この限りでないこと。(確定拠出年金法施行令第9条の2)
⑤ 解約手当金相当額の移換等を受ける期日
⑥ 資産管理機関は、事業主が解約手当金相当額の移換等の申出を行った日の
属する月の翌々月の末日以前の企業型年金の規約に定める日(前記⑤の期日)までに解約手当金相当額の移換等を受けること。(確定拠出年金法施行令第22条第2項第3号及び第4号)
⑦ 解約手当金相当額の移換等を受けた企業型年金の通算加入者等期間に算入
する期間は原則として中退共の掛金納付月数に相当する期間(企業型年金と中退共で重複して加入していた期間を除く。)とすること。また、(ⅰ)特定退職金共済制度から個人単位で移換した資産(中小企業退職金共済法第30条第1項)、(ⅱ)特定退職金共済制度と中退共に重複加入していた場合に事業主単位で移換された資産(同法第31条の2第6項)、(ⅲ)確定給付企業又は企業型年金と中退共に重複加入していた場合に事業主単位で移換された資産(同法第31条の3第6項)、(ⅳ)解散存続厚生年金基金と中退共に重複加入していた場合に事業主単位で移換された資産(公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律附則第36条第7項)がある場合におけるこれらの資産の算定の基礎となった期間のうち、中退共と重複して加入していた期間を除いた期間を掛金納付月数に加算することとすること。(確定拠出年金法施行規則第30条)
(2) 確定給付企業年金を実施する事業主等は、次に掲げる事項を確定給付企業年金の規約に定めること。ただし、非中小解除により解約手当金相当額の引渡
しを受ける場合にあっては、退職金共済契約の解除の日から3月以内に勤退機
構に変更後の規約を提出できるように、合併等により解約手当金相当額の移換
を受ける場合にあっては、移換を行う共済契約者が勤退機構に退職金共済契約
の解除の通知を行う際に変更後の規約を提出できるように、規約に定める必要
があること。なお、解約手当金相当額の移換等があったときの通常予測給付現
価から解約手当金相当額の移換等がなかったときの通常予測給付現価を控除し
た額が、解約手当金相当額の合計額を下回らないよう必要に応じて給付の設計
を変更すること。
① 共済契約解除を契機として、勤退機構から解約手当金相当額の移換等を受
けることができること。
② 勤退機構から解約手当金相当額の移換等を受けた場合には、解約手当金相
当額の算定の基礎となった期間を確定給付企業年金の加入者期間に算入すること(解約手当金相当額の算定の基礎となった期間の一部を合算する場合にあっては、その算定方法を含む。)。(確定給付企業年金法施行規則第96条の10)
③ 確定給付企業年金と中退共で重複して加入していた期間(加入者の資格を
取得する以前の期間を通算した期間との重複した期間も含む。)がある場合には、中退共の掛金納付月数を加入者期間に通算できる範囲内で通算すること。(確定給付企業年金法施行令第22条)
④ 勤退機構から移換等がなされる解約手当金相当額は、共済契約者が負担す
る掛金として一括して払い込まれるものであること。(中小企業退職金共済法施行規則第31条第1号ハ及び第69条の17第1号ロ)
⑤ 勤退機構から確定給付企業年金へ解約手当金相当額の移換等を受けた者に
事業主等が支給する一時金(年金として支給する老齢給付金の支給を開始した後に支給する一時金を除く。)の額は、当該確定給付企業年金の規約で定める方法により計算した額又は当該解約手当金相当額(リスク分担型企業年金の場合にあっては当該解約手当金相当額に移換等を受けたときの調整率及び一時金の支給の請求をしたときの調整率に応じて規約で定めるところにより算定した率を乗じた額)のいずれか高い額とすること。(確定給付企業年金法施行規則第32条の2)
⑥ 勤退機構から確定給付企業年金へ解約手当金相当額の移換等を受けた者が
死亡以外の要件により資格を喪失することとなった場合において、当該者が確定給付企業年金法第41条第1項の脱退一時金を受けるための要件を満たさない場合にあっては、同項の規定にかかわらず、当該者に対して移換等を受けた当該解約手当金相当額(リスク分担型企業年金の場合にあっては当該解約手当金相当額に移換等を受けたときの調整率及び死亡以外の要件により資格を喪失することとなったときの調整率に応じて規約で定めるところにより算定した率を乗じた額)を支給しなければならないこと。(確定給付企業年金法施行規則第32条の3)
2 前記1において、合併等により中退共から解約手当金相当額の移換を受ける旨規約に定める場合にあっては、必ずしも合併等を実施した後に規約を変更する必要はないこと。したがって、当該移換の契機となった合併等を実施した年月日を特定する必要はなく、包括的に定めても差し支えないこと。
第5 その他留意事項
1 「合併等」に伴う資産移換は、企業年金制度と中退共のいずれか一方の制度に統一する目的で行うものであることから、一方の制度からの資産移換が行われる場合に、資産移換を受ける側の制度からも資産移換を行うこと等により、双方の制度が併存する状態が続くような取扱いは認められないこと(例えば、事業主による確定拠出年金法第54条の5又は確定給付企業年金法第82条の4第1項の規定による申出に先だって、中小企業退職金共済法第31条の4第1項の規定による申出を行っている共済契約者との間で実施する吸収合併などの行為は「合併等」に該当しないこと。)。
なお、資産移換の手続において、結果的に双方の制度が併存する場合は認められることに留意すること。
2 企業年金制度から中退共へ資産を移換する場合にあっては、確定拠出年金対象申出又は確定給付企業年金対象申出による移換対象者の申出から確定拠出年金移換額申出又は確定給付企業年金移換額申出による移換額の申出までの間に退職若しくは死亡した移換対象者にあっては、移換元の企業年金制度において当該移換対象者であった者の資産の管理を行うものであること。
3 中退共から企業年金制度へ資産の移換等を行う場合にあっては、退職金共済契約の解除日後に退職若しくは死亡した移換対象者にあっては、移換先の企業年金制度において支給義務を負うものであること。
4 合併等により中小企業者でなくなった共済契約者が企業年金制度を実施する場合には、中小企業退職金共済法第17条第1項の規定により、非中小解除による解約手当金相当額の引渡しが可能となり、同法第31条の4第1項の規定による合併等に伴う資産の移換は不可であること。なお、合併等により中小企業者でなくなった場合は、中小企業者でなくなったときから6月以内に、勤退機構に「中小企業者でなくなったことの届」の提出により退職金共済契約の解除を申し出なければならない。
5 確定拠出年金法等の一部を改正する法律(平成28年法律第66号)附則第5条第4項、第6条及び第7条の規定により、施行日前に実施した合併等を契機として、第2から第4(非中小解除による企業型年金又は確定給付企業年金へ解約手当金相当額の引渡しを行う場合を除く。)までに規定する移換手続はできないこと。
6 事業主が第2又は第3の移換手続を行う場合にあっては中小企業退職金共済法第31条の4第1項の規定による移換手続ができないこと。したがって、厚生局は事業主から第2又は第3の規約変更申請手続を受けた場合には、勤退機構に対し中小企業退職金共済法第31条の4第1項の規定による移換手続が行われていないことを確認すること。
7 また、事業主が中小企業退職金共済法第31条の4第1項の規定による移換手続を行っている場合にあっては第2又は第3の移換手続を行うことはできないこと。したがって、厚生局は勤退機構から第2又は第3の規約変更申請手続の有無について照会があった場合には、当該手続の有無を確認し必要な情報を提供すること。