年発第0 3 2 9 0 0 8 号
平成14 年3 月29 日
改正 平成15 年3 月18 日年発第0318001 号
平成15 年5 月30 日年発第0530001 号
平成15 年12 月4日年発第1204001 号
平成16 年3 月16 日年発第0316002 号
平成18 年6 月14 日年発第0614002 号
平成19 年9 月28 日年発第0928003 号
平成20 年12 月1 日年発第1201002 号
平成20 年12 月3 日年発第1203001 号
平成21 年 3 月 3 日年発第0303001 号
平成24 年1 月31 日年発0131 第1 号
平成24 年7 月5 日年発0705 第1 号
平成24 年9 月26 日年発0926 第2 号
平成26 年3 月24 日年発0324 第8 号
平成27 年9 月30 日年発0930 第8 号
平成28 年4 月8 日年発0408 第1 号
平成28 年12 月14 日年発1214 第1 号
平成29 年11 月8 日年発1108 第1 号
平成30 年1 月11 日年発0111 第1 号
平成31 年3月29 日年発0329 第2号
令和2年9月30 日年発0930 第30 号
令和3年8月2日年発0802 第2号
令和3年9月1日年発0901 第2号
令和3年9月27 日年発0927 第3号
令和4年1月21 日年発0121 第3号
令和7年10 月15 日年発1015 第1号
地方厚生(支)局長殿
厚生労働省年金局長
確定給付企業年金制度について
確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)並びにこれに基づく政令及び省令に関し、別添のとおり、解釈を定めたので、十分了知するとともに、事業主等の関係者に対し別紙の内容について十分な説明及び適正な指導を期せられたい。
確定給付企業年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)
第1 規約の承認又は基金の設立認可の基準に関する事項
確定給付企業年金の規約の承認又は企業年金基金(以下「基金」という。)の設立認可の基準については、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号。以下「法」という。)第5条第1項及び第12条第1項並びに確定給付企業年金法施行令(平成13年政令第424号。以下「令」という。)第4条及び第7条に規定されているところであるが、次に掲げる事項については、それぞれ次のとおりとすること。
1 加入者とすることについての「一定の資格」の内容
実施事業所の従業員(確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者をいう。以下同じ。)が加入者となることについて規約で法第4条第4号の「一定の資格」を定めたときは、当該資格を有しない者は加入者としないが、当該資格を定めるに当たっては次のとおりとし、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(平成30年厚生労働省告示第430号)の「基本的な考え方」を踏まえること。
(1) 「一定の資格」として定めることができる資格とは、次の①から④に掲げる資格であり、これら以外のものを「一定の資格」として定めることは、基本的には特定の者に不当に差別的な取扱いとなるものであること。
① 「一定の職種」
「一定の職種」に属する従業員のみを加入者とすること。この場合において、「職種」とは、研究職、営業職、事務職などの労働協約又は就業規則その他これらに準ずるもの(以下「労働協約等」という。)において規定される職種をいい、これらの職種に属する従業員に係る給与及び退職金等の労働条件が他の職種に属する従業員の労働条件とは別に規定されているものであること。
② 「一定の勤続期間」、「一定の年齢」
従業員が労働協約等に定める見習期間中若しくは試用期間中であること又は労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない期間中であることなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあって、「一定の勤続期間」以上又は「一定の年齢」以上若しくは以下の従業員のみを加入者とすること。この場合にあっては、「一定の勤続期間」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっては5年以上の勤続期間を有する従業員について、「一定の年齢」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっては30歳以上の従業員について、「一定の年齢」未満の従業員のみを加入者とする場合にあっては50歳未満の従業員については、少なくともこれを加入者とするものであること。
③ 「希望する者」
従業員のうち、「加入者となることを希望した者」のみを加入者とすること(この場合にあっては、加入者がその資格を喪失することを任意に選択できるものではなく、かつ、将来にわたって安定的な加入者数が確保されるように制度設計上配慮されていること。また、令第4条第1号の規定により、加入者はその資格を任意に喪失することはできないこととされていること。)。
④ 「休職等期間中ではない者」
従業員のうち、「休職等(労働協約等に規定される育児休業、介護休業を含む。以下同じ。)期間中の者」について、「休職等期間の全部又は一部」が労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていないなど加入者としないことに合理的な理由がある場合にあっては、当該「休職等期間の全部又は一部」に該当する従業員以外の従業員のみを加入者とすること。
(2) 加入者とすることについて「一定の資格」を定める場合には、基本的には、
ア 上記(1)の①及び②に掲げる場合においては、加入者とならない従業員については、他の確定給付企業年金、厚生年金基金(加算型にあっては加算部分)、確定拠出年金(企業型)、適格退職年金又は退職手当制度(退職手当前払制度を含む。以下同じ。)が適用されていること。ただし②に掲げる場合において労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない期間中であることなどを理由に加入者としない場合にあっては、この限りではないこと。
イ 上記(1)の③に掲げる場合においては、加入者とならない従業員については、確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度が適用されていること
とするとともに、これらの制度において確定給付企業年金の給付に代わる相当な措置が講じられ、加入者とならない従業員について不当に差別的な取扱いを行うこととならないようにすること。
(3) 労働協約等における給与及び退職金等の労働条件が異なるなど合理的な理由がある場合にあっては、加入者の資格を区分(グループ区分)することができること。
2 給付の額を減額する場合の取扱い
(1) 給付の額を減額する場合にあっては、次に掲げる事項について留意すること。① 確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号。以下「規
則」という。)第5条第2号の「掛金の額の大幅な上昇により、事業主が掛金を拠出することが困難と見込まれるため、給付の額を減額することがやむを得ない」ことにより給付の額を減額する場合において、確定給付企業年金について給付改善の規約変更を行っている場合には、当該規約変更時から原則として5年が経過していること。なお、次のアからウのいずれかに該当する場合には同号に該当するものとして取り扱うこと。
ア 過去5年間程度のうち過半数の期において、実施事業所の事業主(以下この①において「事業主」という。)の当期純利益がマイナス又はその見込みであること。
イ 給付の額を減額しない場合に増加する掛金の額が事業主の当期純利益の過去5年間程度の平均の概ね1割以上となっていること。
ウ 複数の事業主で確定給付企業年金を実施している場合については、アに該当する事業主が全事業主の概ね5割以上又はイに該当する事業主が全事業主の概ね2割以上となっていること。ただし、一部の事業主が連結決算を行っている場合は、当該事業主を一の事業主として、当該事業主の増加する掛金の額の合計及び連結決算における当期純利益を用いることができること。
② 規則第5条第3号の「やむを得ない事由があること」とは、合併等により給付設計の変更を行わなければ給付水準に大幅な格差が生じることとなるため、当該格差を是正する必要がある場合をいうこと(規則第12条第3号及び規則附則第5条第1項の「やむを得ない」も同様。)。
③ 規則第5条第5号の「該当することとなる蓋然性が高いこと」とは、変更後のリスク分担型企業年金(規則第1条第3号に規定するリスク分担型企業年金をいう。以下同じ。)において、規則第53条第3項に規定するリスク充足額(以下「リスク充足額」という。)が財政悪化リスク相当額(規則第43条第1項に規定する財政悪化リスク相当額をいう。以下同じ。)の2分の1以上であることをいうものであること。
また、規則第5条第6号の「該当する蓋然性が高いこと」とは、変更前のリスク分担型企業年金において、リスク充足額が財政悪化リスク相当額の2分の1以下であることをいうものであること。
④ 給付設計の変更日における加入者に対して、受給権を保全するための適切な経過措置を講じること。経過措置を講じることが困難な場合にあっては、その旨を加入者に十分に説明した上で、給付の額を減額するものであること。
⑤ 給付設計の変更日における受給権者等(加入者である受給権者及び加入者であった者をいう。以下同じ。)の給付の額は、原則として引下げの対象とすべきではなく、仮に引き下げる場合でも、確定給付企業年金を存続するために真にやむを得ない場合に限り行われるものであること。この場合においては次の措置を講じる必要があること。
ア 事業主、加入者及び受給権者等の三者による協議の場を設けるなど受給権者等の意向を十分に反映させる措置を講じること。
イ 全受給権者等に対し、事前に、給付設計の変更に関する十分な説明と意向確認を行っていること。
⑥ 規則第5条第5号に基づきリスク分担型企業年金を開始する場合及び規則第5条第6号に基づきリスク分担型企業年金を終了する場合には、対象となる全受給権者等に対し、事前に、給付設計の変更に関する十分な説明を行うこと。
⑦ 規則第6条第1項第2号ロに「その他の当該最低積立基準額が確保される措置」とあるが、例えば、次に掲げるものはこれに該当するものであること。
ア 規約の変更による給付の額の減額がないものとして算定した最低積立基準額を一時金として支給する措置に加えて、次のa又はbその他の給付の額の減額がないものとして合理的に算定した額を一時金として支給する選択肢を追加する方法。
a 規約の変更による給付の額の減額がないものとして、規則第26条第3項に規定する予定利率及び予定死亡率により算定される給付に要する費用の予想額の現価に相当する額(以下この⑦において「通常予測給付現価相当額」という。)
b 規約の変更による給付の額の減額がないものとして、規約の定めるところにより算定される一時金として支給する老齢給付金の額(以下この⑦において「選択一時金の額」という。)
イ 規約の変更による給付の額の減額がないものとして算定した最低積立基準額から当該規約の変更による給付に相当する最低積立基準額を控除した額を一時金として支給し、かつ、当該規約の変更による給付を支給する方法。
ウ 前記イの措置に加えて、前記イ中「最低積立基準額」を「通常予測給付現価相当額又は選択一時金の額その他合理的に算定した一時金の額」と読み替えて適用する選択肢を追加する方法。
⑧ 給付の額が減額されることとなる加入者を当該減額に同意した加入者に限るときは、当該同意した加入者について、規則第6条第2項で読み替えて適用される同条第1項第1号イ及びロの要件を満たすものとすること。この場合において、給付の額が減額されることとなる加入者を当該減額に同意した加入者に限ることについて、事前に、十分な説明をした上で当該同意を得ている必要があること。
⑨ 給付の額が減額されることとなる受給権者等を当該減額に同意した受給権者等に限るときは、当該同意した受給権者等について、規則第6条第3項で読み替えて適用される同条第1項第2号イの要件を満たすものとし、当該同意した受給権者等について、規則第6条第3項で読み替えて適用される同条第1項第2号ロの規定を適用できること。この場合において、給付の額が減額されることとなる受給権者等を当該減額に同意した受給権者等に限ることについて、事前に、十分な説明をした上で当該同意を得ている必要があること。
⑩ 加入者である受給権者等の当該受給権に係る給付の額が減額されない場合(例えば、老齢給付金の額の減額において、加入者が障害給付金の受給権者である場合であって、当該障害給付金の額が減額されないとき)にあっては、当該者は加入者として取り扱うものであること。
(2) 次のいずれか一の場合に該当するときは、給付の額の減額として取り扱うこと。
① 給付設計の変更によって、次のア又はイのいずれかに該当する場合
ア 全部又は一部の加入者又は受給権者等に係る通常予測給付現価が減少する場合
イ 全部又は一部の加入者又は受給権者等に係る最低積立基準額が減少する場合(最低保全給付の計算方法の変更による減少を含む。)
② リスク分担型企業年金でない確定給付企業年金からリスク分担型企業年金への変更又はリスク分担型企業年金からリスク分担型企業年金でない確定給付企業年金への変更をする場合(①に該当する場合を除く。)
③ リスク分担型企業年金における制度変更(規則第5条第1号に規定するリスク分担型企業年金統合等変更及び規則第12条第1号に規定するリスク分担型企業年金基金合併等変更を含む。)であって、全部又は一部の加入者又は受給権者等について、積立金の額とリスク分担型企業年金掛金額の予想額の現価に相当する額を合算した額(規則第64条の規定により掛金を拠出する場合にあっては、当該拠出する額を含めるものとする。)から財政悪化リスク相当額の2分の1の額を控除した額が減少する場合(①に該当する場合を除く。)
この場合において、一部の加入者又は受給権者等に係る積立金の額、リスク分担型企業年金掛金額の予想額の現価に相当する額及び財政悪化リスク相当額の算定については、通常予測給付現価により按分したものを用いること。
ただし、加入者(受給権者を除く。)の給付設計の変更に際し、①のイに該当する場合は、少なくとも5年程度は各加入者に当該変更が行われなかったとした場合の最低積立基準額を保証する経過措置を設けており、かつ、①のアに該当しないときは、給付の額の減額として取り扱わないものとすること。また、加入者(受給権者を除く。)の給付設計の変更に際し、①のアに該当する場合であって、その該当する加入者の3分の2以上で組織する労働組合がある場合は、①のアに該当する各加入者の給付の名目額(基礎率のうち予定利率を零として算出した通常予測給付現価をいう。)が増加する給付設計の変更であり、かつ、①のイに該当しない又は少なくとも5年程度は各加入者に当該変更が行われなかったとした場合の最低積立基準額を保証する経過措置を設けるときは、あらかじめ当該労働組合の同意を得ることにより給付の額の減額として取り扱わないものとすることができること(実施事業所が2以上であるときは、全部又は一部の各実施事業所について当該同意を得ることにより、当該同意を得た実施事業所の加入者について給付の額の減額として取り扱わないものとすることができること。)。なお、通常予測給付現価又は最低積立基準額の計算に用いる基礎率は、給付設計の変更前後で同一のものを用いることとし、給付の額の算定において、規則第28条第1項に規定する指標を用いている場合にあっては、当該指標の直近5年間の実績値の平均値を当該指標の見込みとして用いて計算するものとすること。
(3) 給付の額の減額として取り扱うことに関し、次に掲げる事項について留意すること。
① 加入者及び受給権者等について、新たな給付を、従来の給付との間で選択することができるものとして追加する規約変更であっても、給付の額の減額として取り扱うか否かは上記(2)によること。
② 上記(2)②に該当することにより給付の額の減額として取り扱う場合であって、規則第5条第5号又は第6号に該当する場合には、規則第5条第1号から第4号までの理由に基づく必要はないこと。
3 法第4条第5号に掲げる事項に係る変更のうち軽微な変更の内容
規則第7条第1項第4号に規定するその他の軽微な変更は具体的には以下の変更のうち給付の額の減額及び当該規約の変更が効力を有することとなる日前の期間に係る給付の額の増額(当該増額に係る実施事業所の事業主が企業型年金を実施している場合に限る。)のいずれかにも該当しないものとする。
なお、当該増額に係る実施事業所の事業主が企業型年金を実施している場合とは、当該給付の額が増額されることとなる加入者等が企業型年金加入者である場合をいう。
(1) 令第24条第1項第1号の加入者期間に応じて定めた額を増額する場合
(2) 令第24条第1項第2号の給与の額その他これに類するもの又は加入者期間に応じて定めた率を増加する場合
(3) 令第24条第1項第3号の定額又は給与の額その他これに類するもの又は一定の割合を増加する場合
(4) 法第37条第1項に規定する老齢給付金の支給の繰下げの申出又は法第41条第4項に規定する脱退一時金の全部若しくは一部の支給の繰下げの申出をすることができることを規約に定める場合
(5) 休職等(労働協約等に規定される育児休業、介護休業を含む。)期間中の者について、休職等期間の全部又は一部を給付の額の算定の基礎から控除する場合(当該期間を給付の額の算定の基礎から控除することに合理的な理由がある場合に限る。)又は給付の額の算定の基礎から控除していた休職等期間の全部又は一部を通算する場合
(6) 実施事業所の増加に伴い、当該増加する実施事業所の加入者の給付の額の算定の基礎とする期間及び給与の額等を規定する場合
第2 資産管理運用契約等に関する規約で定める事項
事業主(規約型企業年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主をいう。第2及び第6並びに別紙1及び別紙2において同じ。)が規約で定めなければならない「資産管理運用契約に関する事項」(令第2条第1号)及び基金が規約で定めなければならない「基金資産運用契約に関する事項」(令第5条第1号)の具体的な内容は、次のとおりとすること。
1 締結する契約の種類
2 締結する契約の相手方の名称(基金資産運用契約の場合に限る。)
(留意事項)
事業主は、「資産管理運用契約に関する事項」とは別に、法第4条第3号において、契約の相手方(金融商品取引業者(投資助言・代理業又は投資運用業を行う者に限る。)を含む。)の名称及び住所を規約で定めなければならないことが規定されている。
3 法第65条第1項各号又は法第66条第1項若しくは第2項に規定する契約(投資一任契約を除く。)を締結する場合には、以下の事項
(1) 締結する契約の目的及び受益者又は保険金受取人若しくは共済金受取人
(2) 複数の相手方と契約を締結する場合には、以下の事項
① 契約に係る掛金の払込割合、給付費等の負担割合
② 資産管理運用契約又は基金資産運用契約に係る信託資産又は保険資産若しくは共済資産が、各契約の相手方の間で移受管(同一機関内における移受管を含む。)されることに伴う、当該資産の額の変更に係る事項(当該資産の移受管を行うこととしている場合に限る。)
4 事業主が上記3(2)に係る事項について、又は基金が上記2及び3(2)に係る事項について、規約とは別に「運用管理規程」を定めて規定する場合には、以下の事項
(1) 運用管理規程を定める旨
(2) 事業主においては上記3(2)に係る事項、基金においては上記2及び3(2)に係る事項のうち、それぞれ運用管理規程に規定する事項(この場合において、運用管理規程に規定する事項については、規約で定めることを要しない。)
(3) 運用管理規程の策定及び変更の手続であって、受給権保護のための意思決定過程の透明化の必要性に照らし、適正と認められるもの(ただし、迅速かつ効率的な業務執行にも配慮されたものであること。)
5 その他契約に関する事項で規約に規定すべき事項
第3 給付の額に関する事項
1 給付の額は、法第32条第2項において「加入者期間又は当該加入者期間における給与の額その他これに類するものに照らし、適正かつ合理的なもの」により算定されたものでなければならず、かつ、「特定の者について不当に差別的なものであってはならない」と規定されているところであるが、その取扱いは次のとおりとすること。① 給付の額は、加入者期間に応じて算定されるものであり、原則として、加入者期
間が長くなるにもかかわらず給付の額が減少するものであってはならないこと。このため、障害給付金であっても、若年者に支給する額は年長者に支給する額に比して過大なものとならないこと。
② 加入者間で給付の額に差を設ける場合にあっては、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」の「基本的な考え方」を踏まえ、労働協約等において、特定の職種に属する従業員や特定の学歴の従業員に係る給与及び退職金等の労働条件が他の職種に属する従業員や他の学歴の従業員の労働条件とは別に規定されているなど、給付の額に差を設けることにつき合理的な理由があること。
③ 制度の目的が老後の安定的所得の保障であることに鑑み、資格喪失事由や資格喪失時の年齢等により給付の額に格差を設ける場合においても、給付の額の格差が過大であること、早期に脱退した者の給付の額の方が有利であることなど、制度の目的を逸脱するものであってはならないこと。また、給付の額の算定方法に規則第25条第2号の方法に基づく上限の設定が含まれている場合においても、早期に脱退した者の給付の額の方が有利であることなど、制度の目的を逸脱するものであってはならないこと。
④ 法第32条第2項の「給与の額」は、厚生年金保険の標準報酬月額又は労働協約等に定められた給与をいう。また、「その他これに類するもの」は、ポイント制を採用している場合における労働協約等に定められたポイントをいい、当該ポイントは次に掲げる要件を満たしていること。
ア 昇格の規定が労働協約等において明確に定められていること。
イ 同一の加入者期間を有する加入者について、最大ポイントの最小ポイントに対する割合に過大な格差がないこと。
ウ ポイントは恣意的に決められるものでなく、数理計算が可能であること。
⑤ 規則第28条第1項の「指標」については、規約で定める期間ごとに異なる「指標」を規約に定めて用いることができること。
⑥ 令第24条第1項第1号及び第2号、規則第27条第5号並びに第28条第2項第3号における「加入者期間」については、法第28条に規定する「加入者期間」の全部又は一部(以下「給付額算定用加入者期間」という。)を用いることができること(ただし、法第28条に規定する「加入者期間」及び「給付額算定用加入者期間」について端数処理を行う場合は、「給付額算定用加入者期間」(当該端数処理後)は法第28条に規定する「加入者期間」(当該端数処理後)を上回ることは差し支えないものとする。)。
また、令第24条第1項第3号における「加入者であった期間のうち規約で定める期間」については、その合計した期間が同号における「加入者であった期間」の全部又は一部とすることができること、「一定の割合」については、規約で定める期間ごとに異なるものとすることができること。
⑦ 規則第25条第1号及び第3号における「組み合わせた方法」とは、給付の額又は算定の方法について、次のうち規約で定める方法とすること。
ア 加法
イ 減法(ただし、減法の結果、給付の額が零を上回るものとする。)
ウ 一定の数値を乗ずる方法又は一定の数値で除する方法
エ 加入者期間、給付額算定用加入者期間、資格喪失事由、労働協約等に定める職種等又は年齢に応じて異なる算定方法とする方法
⑧ 規則第24条の3第1号イの「予定利率」については次のアからウまでに掲げる率のうち最も小さい率、同号ロの「予定利率」については次のアに掲げる率(ただし、老齢給付金の額の算定において、加入者の資格を喪失したときから老齢給付金支給開始要件を満たすまでの期間の全部又は一部について、下限予定利率を下回る利率(当該期間に応ずる利子に相当する額を加算しない場合にあっては、零。以下この⑧において同じ。)を用いる場合は、当該下回る利率を用いる期間ごとにおける当該下回る利率)、同号ハの「予定利率」については次のアに掲げる率とすること。ただし、規則第4条第3項に規定する受託保証型確定給付企業年金の「予定利率」については同項に規定する契約者価額の計算に用いる予定利率とすること。また、規則第26条第3項第1号の「予定利率」については次のアに掲げる率を下回らないものとすること。ただし、規則第26条第3項第1号の「予定利率」については給付の額の算定方法として令第24条第1項第3号の方法を用い同条第3項の給付の額の改定を行う場合その他それに類する場合にあっては、零を下回らないものとすることができること。
ア 前回の財政計算の計算基準日以降の日における下限予定利率のうち、最も低い下限予定利率
イ 老齢給付金支給開始要件を満たしたときにおけるアに掲げる率
ウ 加入者の資格を喪失したときにおけるアに掲げる率
なお、財政計算を実施した場合であっても、当該財政計算に係る規約変更の適用日までの間は、当該財政計算の直前の財政計算を「前回の財政計算」として取り扱うものとする。
⑨ 規則第24条の3第2号及び第26条第3項第2号の「予定死亡率」については、給付の設計の変更(「予定死亡率」を変更するものに限る。)を伴わない財政計算を行う際に変更を要するものではないこと。
⑩ 規則第28条第2項第2号ロに規定する給付の額の改定を行う場合であって、「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保証に相当する額)についても、一定期間ごとに、規則第26条第3項第1号の予定利率を下回らない範囲で規則第28条第1項に規定する指標に応じて改定する場合は、以下のとおりの取扱いとすること。
ア 「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保証に相当する額)となる額の改定に用いる規則第28条第1項に規定する指標をあらかじめ規約に定めること。
イ 「あらかじめ定めた給付の額」(給付の最低保証に相当する額)に具体的にどのような改定が起こり得るかについて、裁定時に受給権者に十分説明すること。
ウ 老齢給付金の全部又は一部を一時金として支給することができることを規約に定めること。
⑪ 「法第37条に規定する老齢給付金の支給の繰下げを申し出た場合の、当該申し出から年金の支給が開始されるまでの期間に応ずる利率」及び「法第41条に規定する脱退一時金の全部又は一部の支給の繰下げを申し出た場合の、当該申し出から年金の支給が開始されるまでの期間に応ずる利率」については、資格喪失事由、資格喪失時の年齢、労働協約等に定める職種等、加入者であった期間、申し出から年金の支給が開始されるまでの期間における年齢、法第41条第2項のいずれに該当するか(法第41条に規定する脱退一時金の場合に限る。)等に基づき合理的に定めること(それぞれ、当該利率を設けている場合に限る。)。
2 一時金として支給する老齢給付金の額及び法第41条第2項第2号に係る脱退一時金の額は、令第23条第1項第1号及び第2号の規定により、全部を年金として支給するとした場合の老齢給付金のうち、保証期間について支給する給付の下限予定利率を用いて計算した場合の現価相当額を上回らないものとされている。これらの規定の適用については、確定給付企業年金において定めた保証期間分に係る一時金への換算の基礎となる予定利率が下限予定利率以上の率(例えば、財政運営上の予定利率)である場合にあっては当該基準は満たされるものであること。
3 規則第29条第1項第2号に「その他の客観的な指標であって、合理的に予測することが可能なもの」とあるが、例えば、次に掲げるものはこれに該当するものであること。
① 総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数
② 厚生労働省において作成する年平均の賃金指数
③ 規則第80条第3項第1号又は第2号に掲げる有価証券指標
4 規則第30条第4号の老齢給付金について一時金を選択することができる「その他前三号に準ずる事情」とは、受給権者の属する世帯の生計を主として維持する者が、やむを得ない理由によりその債務を弁済することが困難であること又は心身に重大な障害を受け若しくは長期間入院したことであること。
5 令第34条第2号の規定により、加入者等がその責めに帰すべき重大な理由によって実施事業所に使用されなくなった場合に給付の一部又は全部を制限することができることとされているが、この場合においては、給付の支給の制限に該当する事由を規則第31条各号に定める範囲で規約に明記し、事業主などの恣意的な裁量により不当に給付の制限が行われるようなことのないようにする必要があること。
6 令第34条第2号の規則第31条各号に掲げる理由によって「実施事業所に使用されなくなった場合」とは、就業規則等の規定による懲戒免職に限り、就業規則等の規定に基づかない事業主による恣意的な解雇は当たらないこと。また、規則第32条の「その他これに準ずる場合」とは、当該加入者又は加入者であった者が規則第31条各号の事由に該当し、かつ、当該者がいわゆる諭旨解雇により実施事業所に使用されなくなった場合に限るものであること。
7 令第23条第2項の規定に基づく額の障害給付金の支給を行う場合、規則第24条に規定する要件については、当該障害給付金の額を過大なものとしたために当該障害給付金の支給が通常の予測を超えて発生することによって積立金が急激に減少する等、財政の安定を損なうことがないよう、基礎率を実績等に基づき合理的に見込むこと等により、当該障害給付金の額を適正かつ合理的なものとすることであること。
8 令第23条第3項の規定に基づく額の遺族給付金の支給を行う場合、規則第24条の2に規定する要件については、当該遺族給付金の額を過大なものとしたために当該遺族給付金の支給が通常の予測を超えて発生することによって積立金が急激に減少する等、財政の安定を損なうことがないよう、基礎率を実績等に基づき合理的に見込むこと等により、当該遺族給付金の額を適正かつ合理的なものとすることであること。
第4 掛金の額に関する事項
1 加入者が負担する掛金に関する取扱い
(1) 加入者が掛金を負担することについての同意は、規則第37条の規定により、加入者が掛金を負担することとなるとき及び規約の変更に伴い加入者が負担する掛金の額が増加するときに得ることとなっているが、この同意は、当該負担することとなる者又は負担額が増加する者について、当該掛金に係る規約の施行の日までに得なければならないこと。
(2) 令第35条第4号の「掛金の額が減少する」及び規則第37条の「掛金の額が増加する」とは、規約の変更によって、変更後に加入者が負担することとなる掛金の額が変更前に加入者が負担していた掛金の額に比べて減少又は増加することをいい、掛金全体に占める加入者が負担する掛金の額の割合が減少又は増加する場合を指すものではないこと。
(3) 加入者がその選択により掛金を負担しない場合においては、掛金を負担しない加入者の給付の額は、掛金を負担する加入者に比べて、当該掛金の拠出額に相当する程度の差を設けるものであること。
2 休職等期間中等の加入者の掛金に関する取扱い
(1) 加入者のうち、「休職等期間中の者」については、「休職等期間の全部又は一部」のうち、労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない等の合理的な理由があることにより給付の額の算定の基礎としていない部分がある場合には、当該部分の全部又は一部について、当該加入者に係る掛金を拠出しないことができること。
(2) 加入者のうち、「一定の勤続期間未満」、「一定の勤続期間以上」、「一定の年齢以上」又は「一定の年齢以下」の者については、「当該期間の全部又は一部」のうち、労働協約等に定める見習期間中若しくは試用期間中であること又は労働協約等に定める退職金の算定対象期間に含まれていない等の合理的な理由があることにより、給付の額の算定の基礎としていない部分がある場合には、当該部分の全部又は一部について、当該加入者に係る掛金を拠出しないことができること。
3 予定利率の下限の設定の考え方
規則第43条第2項第1号の国債の利回りを勘案して厚生労働大臣が定める率(下限予定利率)は、直近5年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均又は直近1年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均のいずれか低い率を基準として設定されたものであること。
4 積立金の額の評価の方法について
(1) 規則第48条第1項第1号及び第84条第2項の「時価」については、金融商品に係る会計基準及び日本公認会計士協会公表の「金融商品会計に関する実務指針」(以下「金融商品会計基準等」という。)に準拠して、別紙3のとおり有価証券の保有区分に応じて取り扱うことができること。
(2) 規則第48条第1項第2号の「過去の一定期間」は5年以内の期間とすること。
5 実施事業所又は設立事業所が減少する場合における掛金の負担
法第79条第1項又は公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号。以下「平成25年改正法」という。)附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前確定給付企業年金法(以下「改正前法」という。)第107条第1項の規定に基づき、事業主等が、実施事業所に使用される当該確定給付企業年金(以下「移転確定給付企業年金」という。)の加入者等に係る給付の支給に関する権利義務を他の確定給付企業年金又は存続厚生年金基金へ移転することを申し出ること又は法第82条の2第1項の規定に基づき、事業主等が、積立金の一部を実施事業所の事業主が実施する企業型年金における当該実施事業所に使用される加入者の個人別管理資産に充てることにより、移転確定給付企業年金の実施事業所が減少することとなる場合は、法第78条第3項に規定する「実施事業所が減少する場合」に該当するものであること。また、改正前法第110条の2第1項の規定に基づき、存続厚生年金基金が、その設立事業所(平成25年改正法附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「改正前厚生年金保険法」という。)第117条第3項に規定する設立事業所をいう。以下同じ。)に使用される当該存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者に係る給付(改正前厚生年金保険法第132条第2項に規定する額に相当する給付を除く。)の支給に関する権利義務を確定給付企業年金へ移転することを申し出ることにより、当該存続厚生年金基金の設立事業所が減少することとなる場合は、改正前厚生年金保険法第138条第5項に規定する「基金の設立事業所が減少する場合」に該当するものであること。
6 特別掛金額、リスク対応掛金額及びリスク分担型企業年金掛金額の算定方法
(1) 規則第46条第1項第4号又は第46条の2第1項第4号に規定する方法により掛金を計算する場合は、次に留意すること。
① 規則第46条第1項第4号イ又は第46条の2第1項第4号イの「定期的」とは、例えば、1年、6月又は1月ごとのような一定の期間であること。なお、初めて掛金を引き上げるまでの期間については、当該一定の期間内であればよいこと。
② 規則第46条第1項第4号イ又は第46条の2第1項第4号イの「引上げ額が経年的に大きくならない」とは、前回の引上げ額を上回らないように引上げを行うことであること。
(2) 規則第46条の2第4項において、特別掛金額の予定償却期間の残存期間はリスク対応掛金額の予定拠出期間の残存期間より短い期間でなければならないこととされているが、これについては、原則として、次の①から④までのとおり取り扱うこと。
① 規則第46条第1項第2号の方法により特別掛金額を計算する場合における予定償却期間は、同号の下限特別掛金額の予定償却期間とし、規則第46条の2第1項第2号の方法によりリスク対応掛金額を計算する場合における予定拠出期間は、同号の最短期間とすること。
② 規則第46条第1項第3号の方法により特別掛金額を計算する場合の予定償却期間は、規約に定めのない場合には、同項に規定する過去勤務債務の額が当該事業年度の標準掛金額以下になると見込まれるまでの期間とすること。また、規則第46条の2第1項第3号の方法によりリスク対応掛金額を計算する場合の予定拠出期間は、規約に定めのない場合には、同号に規定するリスク対応額が当該事業年度の標準掛金額以下になると見込まれるまでの期間とすること。
③ 規則第46条の2第4項の規定の適用に当たって、特別掛金額の予定償却期間が複数ある場合には、最も長い残存期間を用いること。また、リスク対応掛金の予定拠出期間が複数ある場合には、最も短い残存期間を用いること。
④ リスク対応掛金額の拠出期間中に新たに特別掛金額の拠出を開始する場合又は特別掛金額の償却期間中に新たにリスク対応掛金額の拠出を開始する場合においても、規則第46条又は第46条の2の規定に基づき、特別掛金額の予定償却期間又はリスク対応掛金の予定拠出期間を変更して、規則第46条の2第4項の規定を満たすように措置する必要があること。
(3) 規則第46条の3第2項の規定により再計算する場合とは、給付の設計を変更することなく法第4条第6号に掲げる事項を変更し、リスク分担型企業年金掛金額を増額又は減額する場合であること。
第5 積立金の積立てに関する事項
1 最低積立基準額の算定においては、当該額が確定給付企業年金が終了した場合における残余財産の分配額の算定基礎等となることを踏まえて、次の点に留意すること。(1) 令第37条第1号の「当該年金給付」の取扱いは、次のとおりとすること。
① あらかじめ給付の額が増加又は減少することとなっている場合にあっては、当該増加又は減少を織り込むこと。
② 支給停止中の給付については、停止終了後に支給されることが確実な場合にあっては、当該給付を計算に織り込むこと(例えば、障害給付金が支給されているために老齢給付金が支給停止となっている場合であって、当該障害給付金の支給期間が終了した場合に老齢給付金が支給されることとなっているときは、当該老齢給付金を織り込むこと。)。
(2) 規則第54条第1項の「これらに準ずる方法」とは、同項第1号及び第2号の方法を組み合わせた方法をいうこと。
(3) 規則第54条第1項第2号の「加入者の年齢に応じて定めた率」は、基本的に、一定率又は支給開始時までの期間に応じて定める率であるが、この場合において、加入者の年齢を増すごとに減少するものではないこと。
(4) 確定給付企業年金法施行規則第五十五条第一項第一号に規定する予定利率(平成15年厚生労働省告示第99号)に規定する「〇・五パーセント以内の率」を設定するときは、その設定の根拠及び最低積立基準額に及ぼす影響について、労使間や代議員会において十分な検討を行っている必要があり、加入者及び受給権者等に対して十分な情報提供を行うこと。
なお、「〇・五パーセント以内の率」を設定している場合に確定給付企業年金の終了、確定拠出年金(企業型)への移行又は中小企業退職金共済への移換をするときは、最低積立基準額の算定に用いる予定利率について改めて労使間や代議員会において十分な検討を行い、検討の結果として「〇・五パーセント以内の率」を設定するときは、加入者及び受給権者等に対して十分な情報提供を行うこと。
(5) 確定給付企業年金が複数の給付から成っている場合にあっては、各給付ごとに最低積立基準額を計算するものであること。
2 積立不足に伴い拠出すべき掛金の額について
確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第13号)附則第4条第1項第3号の「前事業年度における掛金の水準の伸びを上回らないように定められるものであること。」とは、毎事業年度において後の事業年度になるほど掛金の引上げ幅を大きく見込むなど後の事業年度の負担が過大なものとならないようにすること。
第6 積立金の運用に関する事項
1 運用の基本方針について
令第45条第1項において、事業主(規則第82条に規定する要件に該当する規約型企業年金を実施するものを除く。1及び2並びに別紙1及び別紙2において同じ。)及び基金(以下「事業主等」という。)は、積立金の運用に関して、運用の目的その他厚生労働省令(規則第83条第1項及び第2項)で定める事項を記載した基本方針(以下「運用の基本方針」という。)を作成しなければならないこととされているが、運用の基本方針に記載すべき具体的な内容は、運用の基本方針の策定指針(別紙1)のとおりとすること。
なお、運用の基本方針の作成又は変更に当たっては、令第45条第3項の規定に基づき、加入者の意見を聴くこと。
当該加入者の意見を聴く方法は、規則第84条の2第1項に規定する方法により実施すること。なお、加入者の意見を聴く方法については次の①から⑤までに留意すること。
① 規則第84条の2第1項第1号の方法により行う場合で、当該加入者の代表者が参画する委員会を設置する場合にあっては、同条第2項の規定に基づき、専門的知識及び経験を有する代理人を当該委員会に参加させることも可能であること。
② 規則第84条の2第1項第2号イの意見の提出の機会については、全ての加入者に対して公平に与えられるものであること。
③ 規則第84条の2第1項第3号の意見を聴く方法について、例えば、業務概況に意見を受け付ける連絡先を記載する等の方法があること。
④ 運用の基本方針の作成又は変更に当たっては、規約で定めるところにより、受給権者等の意見を聴くことも可能であること。
⑤ リスク分担型企業年金の場合は、規則第84条の2第1項第1号ハ及び第2号ハに基づく情報開示と同様に、調整率(規則第25条の2第1項に規定する調整率をいう。以下同じ。)及び超過比率(規則第25条の2第2項に規定する超過比率をいう。以下同じ。)に係る情報について、加入者の代表者又は代議員からの求めがあった場合に開示すること。
2 運用指針について
令第45条第6項において、事業主等は、運用受託機関に対して、協議に基づき運用の基本方針の趣旨に沿って運用すべきことを示さねばならないことが規定されており、その方法としては、規則第83条第4項において、運用の基本方針と整合的な運用指針(以下「運用指針」という。)を作成し、これを交付しなければならないこととされているが、運用指針に記載すべき具体的な内容は、運用指針の策定指針(別紙2)のとおりとすること。
3 政策的資産構成割合について
(1) 事業主又は基金が長期にわたり維持すべき資産の構成割合(以下「政策的資産構成割合」という。)の策定における規則第84条第1項1号で規定する「適切な方法」とは、ALM分析(資産と負債のバランスが保てるように将来推計をするシミュレーションのこと。)等による将来にわたる資産側及び負債側の変動予測を踏まえ、許容できるリスクの範囲内で必要なリターンを得るような資産構成を求める手法等の合理的な方法をいうものであること。
(2) 規則第84条第1項第2号及び同条第2項第2号における政策的資産構成割合の決定に関する「専門的知識及び経験を有する者」とは、当該規約型企業年金又は当該基金等の政策的資産構成割合の決定に従事若しくは関与していた者又はこれらの者と同等の専門的知識及び経験を有する者であること。
4 基金における積立金の自家運用について
(1) 令第42条第1項第3号の「第2号業務を的確に遂行することができる専門的知識及び経験を有する者があること」とは、運用業務を的確に行うために日々の時価による資産額を把握できる体制の他、有価証券の売買発注、リスク管理、コンプライアンス(法令等の遵守)等が適切に行われる内部体制を整備するとともに、次に掲げる①から③までの運用方法で運用する場合においては、①から③までに規定する当該運用方法に応じた要件を満たすものであること。
① 令第44条第2号イに規定する有価証券の売買又は同号ロに規定する有価証券の貸付けにより運用する場合においては、次に定めるア又はイのいずれかの要件を満たすこと。
ア 基金の運用する方法の種類に応じて、それぞれ次に該当する証券分析、運用方針の決定又は大口取引業務に従事した経験が3年以上ある者(以下「ファンドマネージャー」という。)を配置すること。
a 円貨建資産(新株予約権付社債(商法等の一部を改正する法律(平成13年法律第128号)による改正前の商法の規定による転換社債又は新株引受権付社債を含む。以下同じ。)及び株式を除く。)の運用を行う場合において、国内普通債券のファンドマネージャー
b 新株予約権付社債の運用を行う場合において、新株予約権付社債のファンドマネージャー又は国内普通債券及び株式のファンドマネージャー
c 外貨建資産(新株予約権付社債を除き、先物外国為替及び通貨オプションを含む。)の運用を行う場合において、外貨建債券のファンドマネージャー
d 外貨建新株予約権付社債の運用を行う場合において、外貨建新株予約権付社債のファンドマネージャー又は外貨建債券及び外貨建株式のファンドマネージャー
イ 基金資産のポートフォリオの管理及び分析業務に従事した経験が3年以上ある者(以下「資産管理職員」という。)又は当該運用資産以外の資産に係るファンドマネージャーを配置すること。この場合においては、上記アのaからdまでに掲げる運用方法について、投資顧問契約を締結し、投資判断の助言を受けること。
② 株式又は株価指数先物、株価指数オプションにより運用する場合においては、資産管理職員又は株式若しくは株式以外の資産に係るファンドマネージャーを配置するとともに、規則第80条第2項第2号に規定するシステムを構築すること。
③ 先物又はオプションによりポートフォリオ・オーバーレイを行う場合においては、上記①又は②の要件を満たすとともに、基金全体の資産を管理する責任者の職員を配置すること。
(2) 株式インデックス運用について
令第44条第2号ヘ(2)に規定する運用方法は、株式インデックス運用によるトラッキングエラー(各月の乖離率(当該株式の運用による収益率と採用した株価指数の変化率の差)と当該乖離率の年間平均(株式の運用期間が12月に満たない場合には当該運用期間の平均)との差の2乗の年間平均の平方根に12の平方根を乗じて得た数)が1.0パーセント未満とすることを目標として運用するものであること。
5 資産運用委員会について
(1) 令第46条の2第1項の規定に基づき、積立金の額が厚生労働省令で定める額以上の事業主等(積立金の額が当該厚生労働省令で定める額以上となると見込まれる事業主等を含む。)は、資産運用委員会を設置しなければならないこと。「厚生労働省令で定める額」とは、規則第84条の4において「100億円」と規定され、「積立金の額が厚生労働省令で定める額以上」又は「積立金の額が当該厚生労働省令で定める額以上となると見込まれる」とは、次の①又は②のいずれかに該当することであること。
① 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、積立金(純資産)の額が100億円以上であること。
② 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、責任準備金の額又は最低積立基準額のいずれか低い額が100億円以上であること。
(2) 資産運用委員会の設置に当たっては、次に留意すること。
① 資産運用委員会の役割として、令第46条の2第3項において「基本方針その他の積立金の管理及び運用に係る事項に関し、事業主又は基金の理事長若しくは管理運用業務を執行する理事に対して意見を述べる」ことが規定されているが、運用の基本方針のほか、運用ガイドライン又は政策的資産構成割合の策定及び見直し及び運用受託機関等の評価等に関する事項を取扱うことが可能であること。
② 資産運用委員会の構成員として、規則第84条の5において「積立金の管理及び運用に関し専門的知識及び経験を有する者を構成員として加えることができる」ことが規定されているが、当該者が運用受託機関等の関係者である場合においては、構成員であったとしても、運用受託機関等の評価に係る審議に加わることは適当ではない。
③ 運用の基本方針の作成又は変更に当たって、規則第84条の2第1項第1号に規定する委員会において加入者の意見を聴く場合においては、当該委員会を加入者を代表する者を構成員とする資産運用委員会によって代替することが可能であること。
第7 物納にかかる有価証券の価額の算定
1 有価証券の区分及び時価評価金額
物納に係る有価証券の価額の算定は、令第87条第1項の厚生労働大臣が指定する日(以下「評価基準日」という。)において、金融商品に係る会計基準及び日本公認会計士協会公表の「金融商品に関する実務指針」に準拠して時価評価するものである。
令第87条第1項第1号から第3号までに規定する有価証券の区分及び算定に当たっては、それぞれ次のことに留意すること。
(1) 令第87条第1項第1号に規定する「その売買が主として金融商品取引所において行われている有価証券」であるかどうかは、その有価証券の売買取引が金融商品取引所において最も活発に行われているかどうかにより判定すること。
(2) 令第87条第1項第3号に規定する「その公表する価格がその有価証券の売買の価格の決定に重要な影響を与えている場合」とは、有価証券の売買の媒介、取次ぎ若しくは代理の受託をする業者又は自己が買手若しくは売手となって店頭で金融資産の売買を成立させる業者(以下「ブローカー」という。)の公表する価格又は取引システムその他の市場において成立した価格が、第三者間で恣意性のない取引を行うと想定した場合の取引価格(以下「公正評価額」という。)として一般的に認められている状態にあることをいう。したがって、単に売買実例があることのみでは、これに該当しないこと。
(3) 令第87条第1項第1号又は第3号の同一の区分に属する同一銘柄の有価証券について、当該各号に規定する価格が2以上の市場に存する場合には、当該取引が最も活発に行われている市場の価格をもって時価評価金額とすること。
(4) その市場における当該有価証券の実際の売買事例が極めて少なく、その公表された価格が実勢を反映した公正評価額と認められない場合の当該有価証券の価格については、当該価格はないものとして取り扱うこと。
2 取引所売買有価証券の気配相場
令第87条第1項第1号に規定する「取引所売買有価証券」の同号に規定する「最終の気配相場の価格」は、評価基準日における最終の売り気配と買い気配の仲値とすること。ただし、当該売り気配又は買い気配のいずれか一方のみが公表されている場合には、当該公表されている売り気配又は買い気配とすること。
3 店頭売買有価証券の時価評価金額
令第87条第1項第2号に規定する「店頭売買有価証券」の価格は、金融商品取引法第69条の19の規定により認定金融商品取引業協会が公表する評価基準日における「最終の売買の価格」とすること。
「最終の売買の価格」の公表がない場合には、評価基準日における「最終の気配相場の価格」とする。
さらに、「最終の気配相場の価格」がない場合においては、株券については、公表基準価格(これらの有価証券の売買の実績等に基づいて認定金融商品取引業協会が公表する基準価格をいう。)を評価基準日における「最終の気配相場の価格」とすること。
なお、気配相場に係る価格の取扱いは、2の取引所売買有価証券の気配相場を準用する。
4 公表する価格
令第87条第1項第3号に規定する「当該その他価格公表有価証券の最終の売買の価格」又は「最終の気配相場の価格」とは、同号に規定する価格公表者により、評価基準日における価格として公表される次に掲げる価格をいうこと。
(1) 公正評価額を提供するため複数の店頭市場の情報を集計し、提供することを目的として組織化された業界団体が公表した最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格(公社債については、評価基準日の気配値に基づいて認定金融商品取引業協会が公表する公社債店頭売買参考統計値を含む。)
(2) 金融機関又は金融商品取引業者(第1種金融商品取引業を行う者に限る。)間の市場や電子媒体取引市場のように、随時売買又は換金を行うことができる取引システムにおいて成立する最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格。
(3) ブローカーによって継続的に提示されている公正評価額の最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格(国内債券については、当該ブローカーが公正評価額として提示する合理的な方法により計算した価格を含む。)
なお、気配相場に係る価格の取扱いは、2の取引所売買有価証券の気配相場を準用する。
第8 その他の事項
1 確定給付企業年金の業務委託の相手先が倒産等をした場合には、確定給付企業年金の事業の実施に重大な支障を及ぼし、給付の支給も滞る事態も想定されることから、事業主等は、委託先の選定に当たっては、令第66条の趣旨に則り、格付機関による格付けや財務状況等の客観的な資料を参考にするなど、慎重な検討を行うとともに、加入者及び受給権者等の利益を第一に考慮し、公正に行う必要があること。さらに、常に委託先の経営状況等(格付機関による格付けや財務状況を含む。)を観察し、確定給付企業年金の事業が円滑に行われるよう努める必要があること。
2 将来期間について、加入者の存在しない規約型企業年金を実施できる場合としては、例えば、将来に向かっては確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度を実施する場合及び法附則第25条第1項の規定に基づき適格退職年金に係る権利義務を承継する場合であること。
3 確定給付企業年金の事業の運営は、事業主と加入者が労使合意の下に民主的に行うべきものであり、加入者も自らの受給権の保護を図るために代議員会等の場において積極的に確定給付企業年金の事業の運営に参画することが求められること。また、業務概況の加入者への周知は、かかる加入者の参画を促し、健全な運営を担保する目的を持つものであることから、周知に当たっては、分かりやすく、かつ正確な情報の提供に努めるとともに、加入者全員に確実に周知が行われる方法を選択すること。さらに、受給権者や受給待期脱退者についても、可能な限り、加入者と同様の措置を講ずるよう努める必要があること。ただし、リスク分担型企業年金を実施する事業主等は、受給権者や受給待期脱退者に対して、当該業務概況の周知を必ず行わなければならないこと。また、リスク分担型企業年金は財政状況に応じて給付が調整される仕組みであることを踏まえ、受給権の保護の観点から、規約の変更に当たって、当該変更による調整率及び超過比率への影響について十分に説明する必要があること。
4 規則第87条第1項第8号の「調整率の推移その他調整率に関する事項」とは、例えば、以下に掲げる事項を定めるものであること。
① 年金額改定のルール
② 過去5年程度の調整率の推移
③ ②の調整率の算出根拠となったデータ
④ その他、調整率に重要な影響を与えると認められる事項
5 実施事業所を減少させる場合には、法第78条に基づき、厚生年金適用事業所の事業主及び労働組合等の同意を得なければならないが、次に掲げる事項のいずれかに該当するに至った場合は含まれないこと。
(1) 事業主が死亡したとき
(2) 法人が破産手続開始の決定により解散したとき
6 規約型企業年金において、全ての受給権者等に対して年金又は一時金の支給が完了し、また、加入者が存在せず、かつ新規に加入者が生じない確定給付企業年金(以下「支払終了企業年金」という。)であって、当該支払終了企業年金が規則第4条第3項に規定する受託保証型確定給付企業年金(以下「受託保証型支払終了企業年金」という。)である場合は、法第83条第1項第3号により当該受託保証型支払終了企業年金を終了したときに行う令第60条の財産目録等の承認の申請については、当該受託保証型支払終了企業年金の年金資産が給付のために積み立てておくべき額を下回らず、積立不足が生じない形態で運用されているため、当該申請を遅滞なく行うのであれば、清算人は、令第63条第1項の決算報告書の承認の申請と同時に行うことができること。
7 受託保証型確定給付企業年金の取扱い
規則第4条第3項に規定する受託保証型確定給付企業年金に加入者が存在する場合にあっては、次の点に留意すること。
(1) 規則第4条第3項に規定する契約者価額が数理債務の額を下回らないことが確実に見込まれるものとは、契約者価額が数理債務の額を下回らないもの又は規約の規定に基づき計算した場合に契約者価額が数理債務の額を下回らないものを指す。
(2) 規則第65条ただし書の「数理債務の額に基づき合理的に計算した額」とは、数理債務の額又は数理債務の額に掛金徴収又は給付支給の遅延により又は契約者価額の計算と数理債務の計算における利息を付加する時期の差違により生じる過不足(契約者価額の2%を下回るものに限る)を加減した額(当該加減した額が規則第55条の規定に基づき計算した最低積立基準額を下回らない場合に限る。)であること。
8 確定給付企業年金に厚生年金基金の残余財産を交付する場合の取扱い
平成25年改正法附則第35条により、解散した厚生年金基金が、その解散基金加入員等に分配すべき残余財産を当該基金の設立事業主が設立する確定給付企業年金の資産管理運用機関等に交付する場合にあって、確定給付企業年金における当初の給付等を賄うため当該解散した厚生年金基金の資産の一部について当該解散した厚生年金基金の清算の結了前に仮交付を受ける場合には、清算の目的の範囲内において存続している当該解散した厚生年金基金に対する債務たる仮受金とするとともに、次のことに留意し、これらをふまえた仮交付に関する事項を規約に定めた上で行うこと。
(1) 仮交付を受けることができる額は、解散した厚生年金基金の残余財産のうち確定給付企業年金に交付することとなる額の見込額として合理的に算定される額を上限とすること。
(2) 仮交付を受けた額が当該確定給付企業年金に交付すべき残余財産の確定額を上回る場合には、当該上回る額を清算の目的の範囲内において存続している当該解散した厚生年金基金に返還すること。
9 年金数理人の要件については、以下の取扱いとすること。
(1) 規則第116条の2第1項の「十分な社会的信用を有するもの」とは、次の①から⑤のいずれにも該当しないものとすること。
① 故意に、年金数理関係書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることについての確認を適確に行わなかった者
② 相当の注意を怠り、年金数理関係書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることについての確認を適確に行わなかった者
③ 社会保険諸法令に違反する行為について指示したり、相談に応じたりした者④ 正当な理由がなく、年金数理関係書類が適正な年金数理に基づいて作成され
ていることの確認に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用した者
⑤ 年金数理関係書類が適正な年金数理に基づいて作成されていることについての確認を行う者として必要な信用又は品位を害する行為を行った者
(2) 規則第116条の2第1項第1号の「公益社団法人日本年金数理人会が実施する試験の全科目に合格」とは、公益社団法人日本年金数理人会が令和3年度以前に実施した試験のうち「年金法令・制度運営」に合格している場合は、令和3年度以前に同会が実施した試験のうち「基礎数理Ⅰ」、「基礎数理Ⅱ」及び「会計・経済・投資理論」の全てに合格している必要があること。
(3) 規則第116条の2第1項第1号の「確定給付企業年金等」には、確定給付企業年金のほか、厚生年金基金、適格退職年金及び確定給付年金等に係る退職給付会計等の年金数理に関する業務を含むものであること。
(4) 規則第116条の2第1項第2号の「前号に規定する者と同等以上の知識及び経験を有するものと厚生労働大臣が認める者」とは、以下の①から⑤の試験全てに合格している者であって、確定給付企業年金等の年金数理に関する業務に5年以上従事した者(当該業務の責任者として当該業務に2年以上従事した者に限る。)その他これに同等する知識及び経験を有する者をいう。
① 公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する「数学」及び「損保数理」の試験(平成19年度以前については「数学」の試験)又は令和3年度以前に公益社団法人日本年金数理人会が実施していた「基礎数理Ⅰ」の試験
② 公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する「生保数理」の試験又は令和3年度以前に公益社団法人日本年金数理人会が実施していた「基礎数理Ⅱ」の試験
③ 公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する「年金数理」の試験又は公益社団法人日本年金数理人会が実施する「年金数理」の試験
④ 公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する「会計・経済・投資理論」の試験又は令和3年度以前に公益社団法人日本年金数理人会が実施していた「会計・経済・投資理論」の試験
⑤ 公益社団法人日本アクチュアリー会が実施する「年金1」及び「年金2」の試験又は公益社団法人日本年金数理人会が実施する「年金法令・制度運営」の試験
10 事業及び決算に関する報告書の取扱い
事業及び決算に関する報告書を地方厚生局長等に提出する場合、規則第117条第4項において「2以上の事業主が共同して設立する基金(第19条の2第1号に掲げる要件に該当する基金及び積立金の額が常時20億円を下回る、又は下回ると見込まれる基金を除く。)」は、会計監査等の結果を考慮した監事の意見を付けなければならないことが規定されているが、「積立金の額が常時20億円を下回る、又は下回ると見込まれる」とは、次の①又は②のいずれかに該当することであること。① 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、積立金(純資産)の額が
20億円未満であること。
② 直近3カ年の決算のうち少なくとも2カ年において、責任準備金の額又は最低積立基準額のいずれか低い額が20億円未満であること。
11 合併等に伴う中小企業退職金共済への積立金等の移換
法第82条の5第1項の「合併等」とは、規則第96条の8の規定により事業主が中小企業退職金共済法(昭和34年法律第160号)第31条の4第1項の規定による申出を行っていない共済契約者(同法第2条第3項に規定する退職金共済契約の当事者である事業主をいう。)との間で実施する規則第96条の8に定める会社法(平成17年法律第86号)の規定による行為のほか、中小企業退職金共済法施行規則(昭和34年労働省令第23号)第1条に規定する国又は地方公共団体に準ずる者を除く法人の設立を定める特別の法律の規定に基づくものであって、当該行為と同等とみなされるものであること。
12 過半数を代表する者の証明
確定給付企業年金実施事業所の厚生年金保険の被保険者の過半数を代表する者として正当に選出された者であることの証明書(規則様式第2号)に掲げる「5.選出方法」については、投票、挙手、労働者の話し合い、持ち回り決議等の別、当該選出が行われた日時(期間)、選出の経過(結果)を記載するものであること。
13 他制度掛金相当額に関する確定給付企業年金上の取扱い
(1) 確定拠出年金法施行令(平成13年政令第248号)第11条第2号に規定する他制度掛金相当額(以下「他制度掛金相当額」という。)は、確定給付企業年金の給付水準から、確定拠出年金(企業型)の事業主掛金に相当する額として算定したものであって、法第4条第6号の「掛金の拠出に関する事項」に該当するため、他制度掛金相当額を規約に定める必要があること。
(2) 他制度掛金相当額は、確定拠出年金における他制度掛金相当額及び共済掛金相当額の算定に関する省令(令和3年厚生労働省令第150号)に基づいて算定されること。また、他制度掛金相当額は、標準掛金額と同様の手法により算定するものであり、標準掛金額と整合的となるよう、算定に用いる基礎率は直近の標準掛金額の計算時と同一の基礎率とすること。なお、標準掛金額の計算に用いる基礎率は、もっぱら各確定給付企業年金の実績及び予測(予定利率については積立金の運用収益の長期の予測)に基づき適正かつ合理的に定めるものであること。
(3) 他制度掛金相当額は、標準掛金額と同様の手法により算定するものであり、適正な年金数理に基づいて計算し、簡易な基準に基づく確定給付企業年金を除いて年金数理人による確認を受ける必要があること。